何かを始めるときは、まず何かを諦めることから始める

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以前のブログにも書きましたが人生を後悔しないために、大切なことの1つは何かをやるかやらないか悩んだら、とりあえずやってみることだと思っています。やって後悔するよりも、やらなくて後悔することの方が精神的に辛いと思うからです。

しかし、次から次へと自分のやりたいことを始めると、やることがどんどん増えていってしまい、いくら時間があっても足りません。

そして、そのうちに一つ一つのことに丁寧に取り組むことができなくなり、どれも中途半端な「虻蜂取らず」になってしまいます。

そうならないためにはどうしたら良いか?

私のやり方は何かを始めるときには、今までやってきた何かを諦めることです。

最近ワンコと暮らし始めてから諦めたのは外に出かける機会です。

もともと引っ越しをしてから自炊をすることが増えてましたが、最近さらに外出の機会が減ってしまいました。

外食をする機会が減ってしまっただけではなく、ご飯を食べた後にワインバーに行くことも激減しました。

会員になっていたワインバーは引き続きセラーを借りていますが、バー会員は退会してどうしても利用したい時はセラー会員としてビジター利用することにしました。

2軒目のワインバーに行っても、家で留守番をしているワンコを待たせていると思うと落ち着かず、早く家に帰って家でゆっくり飲んだ方が良いと思ってしまうのです。

ワンコのせいで出かける機会が減ってストレスが溜まるかと言えばそうはなりませんでした。

その理由は少なくとも今の時点では夜遅くまで繁華街で飲み歩くことよりも、自宅でワンコと遊んでいる方が心地良いと思えるからだと自己分析しています。

自分にとって何が優先順位が高いものかは、年齢や環境によって変わってきます。私も10年前であれば、外に出かけられなくなるのがストレスになっていたかもしれません。

そして何かを諦めると言っても長い間続けてきた事はなかなか止められるものではありません。だから、まずは自分が今やっていることの棚卸しをして大切なものが何かをゼロベースで考えてみることが大切です。

それによって、これから新しいことを始めるときに今やっていることの何を諦めるべきかが見えてきます。

年齢と共に人生の時間が有限である事を強く自覚するようになります。そんな限られた時間の中で何をするか。

自分のやりたいことが全てできないのであれば、その中の優先順位の高いことから順番にやっておきたいものです。

だから、優先順位が低いものは無理をせず諦める。それが人生のクオリティー・オブ・ライフを高めることにつながります。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年8月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。