9月2日、岸破執行部が居座るための時間稼ぎをしまくった上でようやく参議院選挙の総括とやらが発表されました。
党支持層の縮小などを選挙戦における敗因と指摘し、「政治とカネ」の問題や現金給付の公約の不発などが自民離れを招いたと、予想通りの内容で石破茂総裁の責任や執行部の責任は明記を避けたようです。
そして石破茂とかいう人は
「国民の期待に応えることができなかったこと、ひとえに私の責任だ。深く深くお詫する。地位に恋々とするものではない。しがみつくつもりは全くない。然るべき時にきちんとした決断をする」
と口ではかろうじて自分の責任だとは言ったものの、しっかり辞任という言葉は使わないようにしています。
これはかつての民主党政権の時に仲間の議員達も騙して居座り続けようとした菅直人と同じです。
そしてこの両院議員総会後には改めて居座り続けることを記者達に明らかにしています。
まずは今回の総括とやらをまとめた人達は以下の通り。
要するに森山裕、岸田派、菅義偉と神奈川閥の岸破政権執行部の皆様ってことですね。
その敗因分析とやらを報告書からちょっと抜き出してみます。
ちなみに元の報告書は文書内容のコピペなどができないようにされています。
中身を引用されて困るような報告書なら出さなきゃいいでしょうに……。
というわけで敗因とやらの部分から見出しだけ引用します。
■1)支持率・投票動向・選挙結果からみる敗戦の主な要因
1石破内閣の支持率低迷により自民党の基礎体力が低下した
2縮んだ自民党支持層も固め切れなかった
3無党派層への訴求力も不足した
4若年層・現役世代と一部保守層の流出を招いた■2)自民党離れを招いたと考えられる経緯と要因
1経済・暮らしの厳しい現状に十分寄り添えなかった
2現状の物価高対策が国民に刺さらず、争点設定も不発であった
3「政治とカネ」を巡る不祥事により信頼を喪失した
4少数与党での政権運営により党の独自性を示せなかった
5国民の声を聴く活動の不足、説明不足により国民の意識とのズレを生じた
6都議選敗北と選挙中の不用意発言により負のアナウンス効果を生じさせた
7若年層・現役世代と一部保守層の流出、支持離れを生じさせた
8閉塞感を持つ国民に対し、十分なビジョンを示しきれなかった
9発信力が弱く、デジタル対応においても遅れを取った
全体としては今回の総括委員会は予想通りではありますが、石破茂ら執行部の直接責任には言及しないようにしつつ、「どうやって自分達の責任を党全体の責任にするか」を考えたものだと言えます。
総括委員会は石破内閣の支持率低迷による自民支持率低下について以下のように書いています。
石破内閣は、昨年10月の発足直後に衆議院を解散し、第50回衆議院議員総選挙が施行されたが、与党過半数割れの敗北となり、以降、少数与党としての政権運営を余儀なくされた。
予算、法案共に野党の要求をのむ形で成立に漕ぎつけたものの、実績を国民にアピールする力が弱体化し、内閣支持率の低迷、不支持が支持を上回る状況が続いた。
内閣支持率の低迷に伴い、自民党支持率も下降傾向となり、前回参議院選挙(3年前)では、30%台後半から40%台を維持し、他の政党の支持率に対しても2倍以上の優勢を保っていたところが、20%台から30%台へと、約10%程度低下した状況で参議院選挙を迎えることとなった。
この政党支持率の低下は、まさに自民党の基礎体力の低下そのものであり、土台となる基礎票の減少を表すものであった。
総括ののっけからこれですよ。
衆議院選で敗北して少数与党としての政権運営を余儀なくされたから云々と。
要するに「少数与党だったからー!」が参議院選挙敗北の根本にあるのだそうです。
いや、その衆議院選挙の敗北を受けて責任を取らずに居座る選択をしたのは石破執行部ですよ。
訴求力不足だってそりゃ具体的な政策を出すのではなく、「いかに政権を維持するか」だけで行動していたら訴求力もへったくれもないでしょうよ。
相変わらず「裏金ガー!」を敗因に入れていますが、NHKなどの出口調査で不記載の件は判断基準にして投票した人達はほとんどおらず、外国人政策、生活等々他の理由を主な判断基準していたことが明らかになっています。
不記載問題だって司法が捜査に入って指摘されて訂正すべきを訂正し違法性はないと判断されたものは不起訴。
アウトな人は起訴されています。
司法による判定を受けた上で不記載が指摘された議員について岸田文雄総理(当時)は自民党総裁として、党内左派は不問とし、親安倍系だけに対して1年間の党員資格停止や除名などの処分を科しました。
ところが石破内閣は石破茂と小泉進次郞が特に積極的にマスゴミウケを狙ってマスゴミが言うからと不記載が指摘された議員のうち、親安倍系にだけ処分をさらにおかわりする事を選択しました。
一度党として最終処分を決定したはずなのに蒸し返して再度処分を行ったのが石破内閣ですよ。
およそ法治国家にあるまじき姿勢を見せたのですからこんな連中には期待できないとそっぽを向く有権者だっていたことでしょう。
それで今回の参議院選挙の総括では不記載問題について処分が甘かった、足りなかったかのような言い訳をしてこれを大きな敗因の一つに入れるのは「いかにして他に責任をなすりつけるか」これを基本に考えられたものとしか思えません。
今回の岸破政権執行部による参議院選挙総括はものすごくざっくりまとめてしまうと、
- 石破や執行部の責任には言及しない
- 石破や執行部の責任を曖昧化するため責任は党全体にあるとする
- 参議院選挙の出口調査の実態を無視した敗因分析から今後の対策を出している
という形になっています。
「石破には責任はないんだよ!悪いのは裏金問題とか党全体なの!石破は少数与党で苦しい政権運営の中がんばったの!」
こんなことを言われて選挙のためにがんばってきた候補者本人だけでなく、地方議員、後援会、自民党員らが納得できるでしょうか?
むしろ愚弄されたと思うでしょう。
昨年の衆議院選挙だって1200万円の不記載が判明していた武田良太は公認しておきながら、(武田良太は二階派の番頭として総裁選では石破へ投票するように恫喝して回っていたと一部で指摘されていた人物)親安倍系は12万円の単なる記載漏れですら裏金判定で非公認決定。
そんな露骨なダブスタを見せつけられた人達がその後も反省なく自分達の苦境は裏金議員のせいだとか岸破どもが抜かすのを見て自民党のためにがんばろうなんてなるわけがありませんよ。
総括の内容は文書にして11枚。
本当にスッカスカな内容でした。
時間稼ぎと責任転嫁しか考えてなくて無駄に時間を掛けただけなのでしょうが、素直にこの薄い内容でまとめるのに一ヶ月以上かかる程度ならそれこそ岸破政権執行部は能力が無さすぎるので今すぐ全員辞めるべきでしょう。
参院選総括委員長として総括文書の内容を報告する森山裕幹事長 自民党HPより
編集部より:この記事は茶請け氏のブログ「パチンコ屋の倒産を応援するブログ」2025年9月3日のエントリーより転載させていただきました。