タワマンの高層階に住みたいと思わない理由

晴海フラッグのタワー棟であるスカイデュオが竣工しました(写真)。また新たな住人が次々と引っ越してきています。

私が住んでいる板状の低層住宅(といっても20階近くはありますが)より当然眺望は良く人気のようです。

しかし、私はこのタワマンの高層階というのに正直魅力をあまり感じないのです。

1番の懸念は災害時のリスクです。

地震の時の揺れは高層階の方が大きくなります。倒壊する事はなくても、揺れによって室内の家具が倒れたり、食器などが破損するリスクが高くなります。

地震に限らず災害時や緊急事態の際にはにはエレベーター使えなくなる可能性があります。水害やエレベーターの故障で止まることもあり得ます。

階段を使うことが現実的に難しいフロアであれば陸の孤島になってしまいます。

復旧に時間がかかることを考えれば、高層階では普段から水や食料などを備蓄する必要があります。

また高層マンションで怖いのは火災です。もし下の階で火災が発生すれば避難することができなくなったり、煙で被害を受けることも想定されます。

平時でもデメリットがあります。

高層フロアは風が強くバルコニーがあっても外になかなか出られないのも残念な点です。

あるいは高層階は移動に時間がかかるのも難点です。直通のエレベーターがなければ下の階に止まりながらになり朝夕の混雑時はストレスになりそうです。

上の階の方が外に出るのが億劫になって引きこもりがちになるという研究結果もあり、健康を考えれば地上に近いフロアに住んだ方が良さそうです。

そして何より私は高所恐怖症です。高いところにいるだけで足腰がムズムズしてしまいます。住まいだけではなく、外食や仕事をする時も低層階を選んでしまいます。

ただタワーマンションの高層階には天井の高い豪華な内装のプレミアムフロアが作られていることがあります。今回の住戸も例外ではありません。この手の部屋に住みたければ高層階に住むしかありません。

晴海フラッグでは他の建物に住んでいる人もタワー棟の48階に共用のラウンジがあります。部屋からでなくても良いならそこに行けば眺望を楽しめます。

そもそも眺望が気になるのは引っ越した直後と家に誰かが遊びに来た時に自慢できる時くらいです。

考えれば考えるほど高層階には住みたいと思わない理由ばかり浮かんでくる私はやはり天邪鬼なのでしょうか?

koni/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年9月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。