自民党総裁選は投開票を目前に控え、主要3候補が接戦を演じている。世論調査では小泉進次郎、高市早苗、林芳正の3氏が上位を争い、1回目投票で過半数を取る候補は見込めず、決選投票が確実視されている。林氏は安定感を評価されて国会議員票を伸ばしており、情勢は一段と流動的になっている。
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世論調査では自民支持層の支持率が小泉氏と高市氏が拮抗し、林氏が追う展開に。国会議員票は小泉氏が約70〜80人で先行し、林氏が約50〜60人、高市氏が約40人で続く。党員票と議員票を合計しても過半数に届く候補はなく、決選投票はほぼ確実だ。
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林氏は討論での落ち着いた対応や英語スピーチ、石破首相の後押しが注目を集め、旧宏池会を中心に国会議員票を広げつつある。ただし「石破路線の継承」を掲げる姿勢は、政策変更への柔軟性に疑問が残るとの指摘もある。
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小泉氏は若者人気や応援団の厚さを背景に議員票首位を維持しているが、討論で政策面の弱さが目立ち、ステマ投稿問題も党員票への影響が懸念されている。
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高市氏は党員票では強さを見せる一方、議員票が伸び悩み、党内には「ネトウヨ色やバラマキ路線を敬遠する」空気が根強い。国民民主との連携を望む支持層は多いが、決選投票で勝ち切るには議員票の上積みが課題だ。
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経済政策では、賃金が上がらない主因が産業空洞化にあるとの見方が共有され、石破政権が合意した対米投資80兆円をめぐり、トランプ前大統領との再交渉を求める声がある。高市氏は再交渉を明言するが人脈不足を指摘され、林氏は国際的な人脈を持つものの方針転換には限界があると見られている。
決選投票は小泉×林、あるいは小泉×高市の構図が有力視される。林氏は調整力や国際経験を評価される一方、「石破継承」の枠内にとどまるとの懸念もある。小泉氏は支持の広がりを保てるかが焦点で、高市氏は議員票の積み上げが課題だ。総裁選は依然として不確定要素が多く、最終局面まで各候補の戦略と党員・議員票の動向が勝敗を大きく左右する。
小泉・林・高市各候補 自民党HPより