Kobus Louw/iStock
インデックスファンドを使って長期の資産形成をしている人のことを「インデックス投資家」と呼びます。
私は今でも相変わらず金融商品についてはインデックス投資を続けていますが、2010年頃から不動産投資などインデックス投資以外の資産運用に投資対象を拡大したことで、インデックス投資家のグループとは疎遠になってしまいました。
毎年登壇していたインデックス投資家の集まりにも呼ばれなくなり「内藤忍の変節」とバッシングされました(写真は2010年のインデックス投資家のイベント、私は左端)。
しかし、私は1つの運用方法にこだわり続ける方が間違っていると当時からずっと思っていました。
そんな「内藤忍の変節」があってから既に15年近くの歳月が流れ、私と以前お付き合いがあったインデックス投資家の皆さまも還暦を超える世代になったようです。
シニア世代のインデックス投資家の関心事は、これまで積み立ててきた資産を定率で取り崩すか定額で取り崩すかといった議論です。
どちらの方法にしても資産を取り崩すことによって、将来の資金が枯渇するリスクがあることには変わりありません。
いずれのやり方でも問題の根本的な解決にはならないのです。つまりインデックス投資を続けている限り、老後の不安は消えません。
私は金融資産を使ったインデックス投資の比率を下げ、借り入れを使った不動産購入にも投資対象を広げることで老後の不安を完全に解消することができました。
そのきっかけとなった11年前に購入した港区のワンルームマンションは、あと4年ほどでローンの返済が終わります。現状は毎月40,000円程度の持ち出しになっていますが、4年後からは毎月10万円のキャッシュフローが生まれます。
インデックス運用で株価の変動にビクビクするよりも、ローンの返済の終わった不動産を保有する方が収入としては安定しています。
このような安定したキャッシュフローを生み出す物件を複数所有していれば老後の金の不安は解消します。
金融資産の中だけで問題解決をしようとするのではなく、不動産のような実物資産を組み合わせた資産運用こそこれからの日本人に必要なものではないかと思います。
借り入れを使わず、自己資金だけでインデックス運用の金融商品を積み立てて、シニアになったらそれを恐る恐る取り崩す。資産運用のやり方として何かが間違っているような気がしてなりません。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年10月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。