トランプ大統領は最近、海軍関係者への演説の中で、麻薬対策として行われている海上での攻撃に加え、必要があれば「陸上」に潜伏する麻薬組織に対しても攻撃を行う可能性があると発言しました。この発言は、米国の麻薬戦争が新たな段階へと進もうとしていることを示唆しています。
トランプは、ベネズエラ沖で昨夜また別の船への攻撃があった後、「彼らはもう海からは来ていないので、陸上での麻薬密売人を攻撃し始める」と述べました。「だから今後は陸上を調べる必要がある。彼らは陸路を使うしかなくなるからだ。」
SNS上では、ピート・ヘグセス戦争省長官が麻薬船を爆破する映像を公開し、話題となっています。このような映像が報道されるのは、確認されている限りで4回目にあたります。ただし、トランプ大統領が言及した攻撃と、ヘグセス長官が示した事案が同一のものであるかどうかは、現在のところ明らかにされていません。
今朝早く、トランプ大統領の命令により、私はUSSOUTHCOMの責任区域内で指定テロ組織と関連のある麻薬密売船に対して致命的な運動エネルギー攻撃を指示しました。船に乗っていた4人の男性麻薬テロリストが攻撃で死亡し、米軍に被害はありませんでした。この攻撃は、ベネズエラの海岸沖の国際水域で実施され、その船は大量の麻薬を輸送しており、アメリカに送られ我々の国民を毒するものでした。 我々の情報機関は、疑いの余地なく、この船が麻薬を密売しており、船に乗っていた人々が麻薬テロリストであり、既知の麻薬密売ルートで活動していることを確認しました。これらの攻撃は、アメリカ国民に対する攻撃が終わるまで続けられます!!!!
米国政府は先日、議会に対し、麻薬組織との対立はもはや「戦争状態」にあるという正式な立場を通達しました。海上での取り締まりだけにとどまらず、今後はより積極的に、ラテンアメリカ地域の麻薬組織に対する軍事的行動が拡大していくことが予想されます。
特に「陸上での攻撃」というトランプ大統領の発言は、ベネズエラ領内を指している可能性が高いと見られています。トランプ政権はベネズエラの現政権を「正当な政府」とは認めておらず、政権交代に向けた動きも複数報じられている状況です。
ベネズエラ:「米国によるマドゥロへのエスカレーション」 最近の報告によると、ベネズエラの野党指導者たちがトランプ政権の高官と直接接触しており、国務長官マルコ・ルビオ、CIA長官ジョン・ラトクリフ、ホワイトハウス副首席補佐官スティーブン・ミラーからの明確な支持を受けています。 これらの会合や議論は、米国が「非合法」とみなすニコラス・マドゥロ政権を崩壊させるための広範な戦略の一環であり、麻薬密売や地域の不安定化と結びついた政府とされています。 これは、カリブ海での米国の軍事力増強と一致しており、6,500人以上の兵士の配備や、ベネズエラのギャングと関連があるとされる麻薬密輸船への攻撃が含まれています。
ベネズエラは戦時体制への移行を検討しているようです。
ベネズエラの大統領ニコラス・マドゥロは、カリブ海へのアメリカ軍艦の配備による緊張の高まりの中、アメリカ軍による攻撃が発生した場合に国を守るために非常事態を宣言する準備をしていると述べています。
今回のような麻薬船攻撃は、米国大統領が行使できる軍事的権限の幅広さを象徴しています。一部の法学者や専門家の中には、「このような行為は必ずしも違法とは言えない」とする見解もあり、議論を呼んでいます。
また、現在の米国最高裁は「単一執行府理論」と呼ばれる考え方に基づいた判決を下す傾向があり、これは行政権、つまり大統領の権限を極めて広く認める立場です。トランプ政権が導入した関税政策や、今回のカリブ海周辺での軍事行動も、その文脈の中で正当化されていく可能性があります。
トランプ政権による対麻薬政策は、単なる犯罪対策を超え、軍事的・外交的な戦略の一環として拡大しています。「麻薬戦争」が本格的に「武力行使」へと変質していくなかで、今後の大統領権限のあり方や、最高裁の判断が一層注目されることになるでしょう。
麻薬戦争という名のもとで、どこまでの行動が許されるのか──今、その限界が問われています。
トランプ大統領 ホワイトハウスXより