マチャド氏のノーベル平和賞授与を祝福できないスペイン政府
嘗て、スペインはヨーロッパにおいてラテンアメリカの代弁者的な存在であった。ところが、今ではヨーロッパそしてラテンアメリカにおける権威は失墜している。それはスペインの民衆化以後3代目の首相だったアズナール氏からラテンアメリカにおけるスペインの権威は失い始めた。そして現在のサンチェス首相になって、スペインは今回のマリア・コリナ・マチャド氏のノーベル平和賞の授与を祝福するのを遠慮せねばならない立場までスペインの権威は失墜している。
なぜならサンチェス政権はマチャド氏がベネズエラの独裁者マドゥロ大統領から民主化を取り戻す為に戦っているその独裁者から金銭的な支援を受けて来ているからである。その仲介をやって来たのがスペインの元首相サパテロ氏である。
サパテロ氏はマドゥロ大統領の特別顧問であり、同時にサンチェス氏のアドバイザーでもある。例えば、サンチェス氏が社会主義インタナショナルの会長に成れたのもサパテロ氏の仲介でマドゥロ氏からの資金提供があったからだ。それをサンチェス氏は会長になる為にばら撒いたのである。
だから、マチャド氏のノーベル平和賞の授与にはサンチェス氏は金銭面で恩恵を受けているマドゥロ大統領の手前、祝福できないのである。
マチャド氏は26年民主化の為に戦って来た
マチャド氏は昨年8月からベネズエラ国内で身を隠して生活している。毎日のように寝場所を変えているという。マドゥロ大統領から命を狙われているからである。
昨年7月に大統領選挙が実施された時に、彼女が選んだ候補者エドゥムンド・ゴンサレス氏がマドゥロ大統領の前に大勝利した。彼女が立候補できなかったのはマドゥロ氏が彼女が法的に公職に就けないようにしたからであった。なぜなら、マドゥロ氏は彼女を前に選挙で勝てないと知っていたからである。
しかし、ゴンサレス氏が大統領になった暁には彼女が首相として実質的に政権を担うことになっていた。それを恐れたマドゥロ氏は選挙が実施される前に彼女の公職追放をしたというわけだ。
マチャド氏は、チャベス氏が大統領になった時点からこの26年間ベネズエラの民主化の為の戦いを行っている。2012年の反対勢力の間での候補者選びの選挙では僅か4%の支持しか得られなかった。64%の支持を得たのはカプリレス氏であった。
しかし、カプリレス氏が民主化への戦いに疲れると、2019年にはファン・グアイドー氏が登場した。マドゥロ氏の前にグアイドー氏は勝利した。ところが、彼もマドゥロ氏の前に潰された。何しろ、独裁者マドゥロ氏は司法を支配しているから法的に色々と敵を拘束できる。最終的にグアイドー氏は米国に亡命した。他の野党リーダーたちも結局は亡命の道を選んだ。スペインにも亡命者入る。そんな中で国内に残り、戦い続けて来たのがマチャド氏である。
そして今、米国のトランプ大統領政権はマドゥロ大統領と彼を囲む側近らを逮捕して米国で裁く方向にもって行こうとしている。その指揮を執っているのがキューバ移民2世の前上院議員で現在国務長官のポストに就いているマルコ・ルビオ氏である。
ルビオ国務長官とヴァンス副大統領 副大統領Xより