自維連立政権「病院と介護施設」重視は医師会の暴走に終止符を打てるか?

自民党と維新による連立政権合意書が、これまで「聖域」とされてきた開業医中心の医療制度にメスを入れようとしている。病院重視とコスト抑制を柱にした医療改革は、開業医の利権団体である医師会を中心とする保守的な構造に変化を迫ることはできるだろうか。

参照:社保改革「開業医より病院」支援に 自維連立、医師会「厳しい項目並ぶ」 日本経済新聞

  • 連立政権合意書には、「病院・介護施設への支援」と明記され、関係者の間では開業医への締め付けが強まると受け止められた。
  • OTG類似薬改革(湿布薬などの保険適用除外)で年間数千億円の医療費削減を目指すが、開業医は大きく反発。
  • 中医協(中央社会保険医療協議会)改革で病院側の発言力強化を図り、医師会の影響力を弱める動きが出てきている。
  • 病院は利益率が低く、開業医ばかりが儲かる現状を是正しようとする方向性に向かうか注目される。
  • 高齢化で膨張する医療費を支えるには、開業医の優遇見直しと病院中心の再配分が不可避。
  • 医師会が守ってきた構造的な「ぬるま湯経営」からの転換が、日本の社会保障改革における最大の試金石となる。

病院支援と医師会の影響力縮小を打ち出した今回の合意書は、医療費抑制と制度の健全化を目指す本気度の表れとなるか。現役世代を圧迫する医療費の構造を変えるには、開業医優遇の「常識」に切り込む改革が必要とされている。抵抗勢力の反発は避けられないが、もはやない袖は振れない。政権の実行力と国民の覚悟が問われる局面に入ったといえる。

-連立政権の合意書を手にする高市早苗総裁(右)と日本維新の会の吉村洋文代表 自民党HPより