教育勅語を「教育現場で活用を促す考えはない」高市首相の「しなやかさ」

5日、衆議院本会議において、高市早苗首相は、戦前の「教育勅語」について、かつて自身の公式ホームページで称賛していたにもかかわらず、「政府として教育現場で活用を促す考えはない」と明言した。保守的な言説を長らく発信してきた高市首相自身の言葉と政策姿勢のギャップに注目が集まった。

  • 高市首相は代表質問の場で、教育勅語について「現行憲法や教育基本法の制定により法制上の効力を喪失している」と説明。
  • 続いて、「政府としては、教育現場で教育勅語の活用を促す考えはない」と明言。
  • 一方、就任前自身のホームページでは同勅語を「見事な教育勅語」などと評価していたことが確認されており、一部から自身の過去発言との整合性が問われている。
  • この発言を受けて、保守派からは「これまでの強硬保守・教育再生の主張はどこへ行ったのか」という疑念の声があがっている。
  • 今回のやりとりは、首相自身が過去に掲げていた「保守色」が実際の政策対応とどう連動しているかを浮き彫りにしており、保守陣営内部の結束や方向感にも影響を及ぼす可能性がある。

高市首相のこの発言は、過去に自身が評価していた教育勅語への姿勢を大きく転換するものと受け止められている。保守層に対する訴求力を有してきた「強硬保守」的主張と、政府として教育勅語を活用しないという実務的判断の間に乖離が生じているが、これも高市首相流のリアリズムの表れなのかもしれない。

高市早苗首相Xより