40代の頃、手帳にはまった時期がありました。そのきっかけになったのがGMOインターネットグループの創業者の熊谷正寿さんが書いた「一冊の手帳で夢は必ずかなう」という本です。私の人生に大きな影響を与えてくれた作品で、当時購入した書籍(2004年の第2刷)は今も本棚に大切に置いてあります(写真)。
自分が実現したい夢や目標を頭の中で考えるだけではなく、手帳に書き出すことによって「見える化」する。そして自分の人生のビジョンとミッションを設定し、そのために必要な資産をどのように手に入れるかを考える。
本に書かれた内容をマネながら自分なりにアレンジし実践していきました。そんな経験をまとめる機会もあり、実は手帳に関する本も今までに2冊出しています。
結果論かもしれませんが、私も資産運用に手帳を使った管理方法を取り入れることで、自分が目標とする資産を手に入れることができました。
しかし、最近は紙の手帳を使う事はなくなってしまいました。スケジュール管理も携帯で行うようになり、ビジョンやミッションを意識することも少なくなっています。ただ、今も夢や目標から逆算して今自分がやるべきことを考える思考法は自分の中に生きています。
本の中で熊谷さんは88歳までにGMOグループの売り上げを10兆円とし、経常利益1兆円の企業までに成長させる55年計画があると書いています。
このような超長期の壮大な人生計画は私にはマネができませんでした。
そもそも私は仕事に関しては規模を追求するのではなく、自分がやりたい事だけを自由にやれることを最優先しています。だから将来どのような事業展開をするかといった計画もありません。
そして事業の拡大よりも自分自身が働く労働時間を減らすことにより「時給」を最大化することをいつも考えています。
お金に関してもこれ以上資産を増やすことには興味がなく、むしろ世の中のためになることや周囲の人に喜ばれるようなお金との付き合い方を極めていこうとしています。
日本経済新聞の「こころの玉手箱」というコーナーに先月熊谷さんが連載を書いているのを見つけました。
その中で、企業経営は宗教に学べと言うコメントを見て驚きました。
長く続く宗教には同じ場所に集まること、同じ物を読むこと、同じ物を身に着けること、同じポーズをすること、そして神話があるという5つの共通点があることに気付いたそうです。
GMOグループでは宗教と同じ方法で経営を進めることで目標達成に全力で向かっています。ブレない姿勢にはリスペクトしかありません。
「一冊の手帳で夢は必ずかなう」は2004年に初版が出版されていますが、読み返してみると20年以上経った今でも充分説得力のある素晴らしい作品です。
夢や目標を叶えたいと思っている若手のビジネスパーソンには一読を強くお勧めしたいと思います。
そして熊谷さんには、私の世代に向けて「一冊の手帳で夢は必ずかなう シニア編」を執筆してほしい。これは1人のファンとしての希望です。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年11月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。