兵庫県の斎藤元彦知事が、昨年の知事選でSNS運用を委託したPR会社に報酬を支払ったとして、公職選挙法違反(買収)の疑いで書類送検されていた件で、神戸地検は11月12日、不起訴処分(嫌疑不十分)とした。捜査の結果、支払われた報酬は「選挙運動の対価とは認められない」と判断された。
- 昨秋の兵庫県知事選で、斎藤知事陣営がSNSを活用した選挙運動をPR会社に委託し、約71万5千円を支払った。
- この支払いが「選挙運動の報酬」にあたる可能性があるとして、兵庫県警が今年書類送検していた。
- 神戸地検は捜査の結果、支払われた金銭が選挙活動の報酬とは認定できず、立件を見送った。
- 同日、斎藤知事に関連する他の7件の告発・告訴もすべて不起訴処分となった。
- 斎藤知事は「適切に判断いただいた」とコメントしたが、「説明責任は引き続き果たしていく」とも述べた。
- 県議会や野党側からは、「法的責任がなくても、県民への説明を尽くすべきだ」との声が上がっている。
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PR会社「merchu(メルチュ)」の女性経営者は、不起訴の報を受けた12日夜、自身のインスタグラムを更新し、心境をつづった。「本件によりご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。不正な対価の授受はもちろん、いかなる不正行為の事実もございません」「誤解を招いたことを反省し、自らの言葉の重みを痛感しました。(要約)」
神戸地検の不起訴処分により、斎藤知事とメルチュ側に対する刑事責任の追及は終結した。SNS選挙の委託契約をめぐる透明性や、首長選での報酬の線引きといった制度面の課題は残るが、これで斎藤知事に対する刑事捜査は一区切りとなった。
斎藤知事 同知事SNSより