私が高市さんの外交姿勢などに懐疑的な意見をいうと、強硬な保守派とかネトウヨ、極右系の人から、私の外交問題などについてのポジションが変化して戸惑うとかいう意見を多く頂いている。自民党前代議士の務台俊介さんから、なりすましでないかなどとご質問をいただいたので、この際、務台さんへした回答に少し手を入れて紹介する。
私はまったく以前から一貫している。安倍政権のように保守派の首相とブレーキ役の公明党とか党内の宏池会とかのバランスが確保されたら、外交防衛でそれほど間違いは犯さないとみていたのが、公明が抜け宏池会などが反主流派になり、ネトウヨや歴史修正主義者の極右がのさばり、維新まで元気が良すぎる。
安倍晋三元首相と高市早苗首相 自民党HPより
そして、高市さんは周辺事態の定義を変えるようなことをべらべら言うし、習近平の面子に配慮せず、いかにも感情的に不信を買うようなやり方をするし、安倍さんならこんなこと絶対にしない。従来と同じ立ち位置ならこれを危険だと思うのは当然だ。
最も大雑把に言えば、安倍政権より右に行くことはよほど慎重であるべきだと私は思っている。まして、高市さんのような知識経験などが安倍さんや他の総裁候補の多くに比して不足している首相の場合には、なおさらそうなのではないか。こう考えることについて、以前と考え方が違うと言われるのはおかしいと思う。
さらに言えば、高市さんの場合、キャラクターとして、ことがうまくいっている場合には気持ちよくどんどん進む人だ。問題はうまくいかなくなった時だ。公明党との交渉など、少しうまくいかなくなるとヤケクソだったようにみえる。
まして、これがトランプ相手であるとか、中国相手であるとかいうことになると、かなり厳しい状況が出る恐れがあるから、周囲や我々外野席が常にブレーキをしっかりかけていかないとドツボにはまりかねない。そうした状況を心配していない人がイケイケどんどん路線を擁護すると、大丈夫かという気がする。
今回の周辺事態の定義とかAPECでの台湾代表との接触の公表の仕方など、やはり危うい。率直に思ったことを言ったら分かってもらえるなど外交であり得ない。
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