台湾を中国が武力解放することになぜ日米は反対しようとしているのかを、第三者的にぶっちゃけ話としてまとめてみた。もし違うぞという方がおられたらご意見いただきたい。ただし、単なる願望に基づくコメントは不要だし、いただいても削除する。
蒋介石が1949年10月に台湾に逃げ込んだあと、米国政府はこれを助けるつもりもなく、いずれ共産党軍に占領され、幹部は粛清されるものと割り切っていた。亡命を認めるにしても蒋介石一家+αに限定するつもりだった。
しかし1950年6月に朝鮮戦争が勃発したので、米国は国民政府を中国政府として保護し台湾を守ることにした。日本は1951年のサンフランシスコ平和条約を米国上院が批准する条件として、中華民国を中国の合法政府と認め、外交関係を樹立することを強要され、1952年4月発効の日華平和条約を結ばされた。
このころ米国は国民政府による大陸光復に期待をかけたこともあったが、1955年の台湾海峡危機を経て現状維持に転換。1960年代の中ソ対立などを経て北京政府を承認する国が増え、1971年には国連代表権も北京政府に移り、1972年には日中国交樹立、1979年には米国も国交樹立し、一つの中国原則を米国は理解し、日本は理解し尊重するとしているが、台湾を武力で解放することには日米は反対している。
つまり、話し合いで統一するなら反対の理由はないが、そんな可能性は低いので、事実上拒否し、米国はたぶん軍事力を使ってでも阻止するだろうし、日本もたぶん米国が沖縄などの基地を使うことを容認するだろうし、もしかすると自衛隊もなんらかのかたちで参加することもあるかもしれない。
ただ、これまでは自衛隊の参加もあるかもしれないとは言わなかったが、今回の髙市発言は可能性はあると明言してしまったところが問題になっているのである。これまでもあるかもしれないと思っていたが、あると言わないので黙認していたが、あると言われたら黙っているわけにはいかないのは当然だ。
台湾独立については、中国がそれを認めるなら歓迎だが、現実の可能性はほとんどない。日本の介入については、米国の介入に比べ、日中戦争について日本は反省はないのかということと、返還したはずの台湾にもういちど手を伸ばすのかという意味で中国が神経質になるのはある意味当然。
しかし、日本としては元日本国民だった人々とその子孫の運命には関心があると言えなくもないが、やぶ蛇でもある。
2025年10月 米海軍横須賀基地を訪問するトランプ大統領と高市首相 首相官邸HPより
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