これからの日本③:地政経済という闇

da-kuk/iStock

日本経済の三本柱は「技術立国」「ものづくり国家」「サステナブル社会」である。以前の拙稿でも述べたが、いま日本が世界市場で再び存在感を取り戻す大きな好機が訪れている。

『地方創生2.0』をどう活かす?ネオ・ジャポニズムの実践可能性|倉沢良弦
今『地方創生2.0』とか言ってる場合じゃねえだろ?それより、減税策をどうするかの方が大事じゃねえか、と言う声があるのもよく分かっているが、一方、そうとばかりも言ってられないと思いませんか? これから、『地方創生2.0』とは何か?を改めて整理しながら、今後地方行政や中小企業がどう進んでいけばいいのか?を、私が「ネオ・ジ...

その象徴の一つとして、私は小学生の頃から身近にあった「ジャポニカ学習帳」を思い出す。ショウワノートが生み出した傑作であり、日本の自然の豊かさを、子どもたちへさりげなく伝えてきた文房具の金字塔だ。戦時中のような国家プロパガンダではなく、自国の自然や文化を素直に誇り、静かに発信してきた点にこそ意味がある。

もっとも、自国アピールをしているのは日本だけではない。中国共産党はその最たる例で、一党独裁体制を背景に、全国規模で反日運動を「号令」できる。実際には中国全土が反日というわけではないが、あたかも国民全体が一斉に反日に傾いているかのように見せる宣伝工作は今に始まったことではない。他国もその仕組みをとっくに理解しており、目新しいことではない。

また「中国はハイテクが進み、日本は遅れている」という声も散見されるが、それらの多くは中国共産党が巧妙に作り出したイメージだ。共産主義や権威主義へ親和性の高い人ほど、宣伝を疑わず受け入れる傾向がある。

地図の見方ひとつ取っても、日本と中国では前提が違う。ヨーロッパ中心のメルカトル図法で見れば日本は“極東”だが、中国はこれを180度ひっくり返したような世界観を持つ。これは間違いではないが、中国の華夷思想(中華思想)の根っこには「漢民族こそ世界の中心で最も優れた民族」という価値観が脈々と息づいている。周王朝以来、中華以外は“夷”であり、頭を下げれば中華に入れてやるという秩序感だ。

現代の中国共産党は、この華夷思想と共産主義を絶妙にミックスし、中国国民に自国第一主義を強く刷り込んでいる。米中摩擦が不可避なのは、こうした歴史的・思想的背景を見れば明らかだ。

では日本はどのような対中戦略を取るべきか。軍事的備えの強化は言うに及ばず・・・

以後、続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。