円相場が一時157円台まで下落:高市政権の「責任ある積極財政」が招く通貨不安

19日のニューヨーク外国為替市場で円相場が一時1ドル=157円台まで下落し、約10カ月ぶりの円安水準となった。高市早苗政権の積極財政路線や、日本の財政悪化への懸念が円売りを加速させている。

  • ドル円は19日に一時157円台をつけ、1月以来の円安水準となった。
  • 円売りが強まった背景には、高市政権が掲げる大規模な補正予算や積極財政方針があり、「財政悪化→円の信認低下」との警戒感が広がっている。
  • 米国で追加利下げ観測が後退し、ドル買い・円売りが進んだことも円安要因となった。
  • 財政拡大路線が続けば、日本国債のリスクが意識され、金利上昇と円安が同時に進み、「ソブリンリスクによる円安」が加速するとの見方が多い。
  • 利上げが唯一の円安抑止策だが、政府の利払い負担や変動金利の家計への影響から現実的ではなく、市場では「円安を事実上黙認している」との受け止めが広がっている。
  • 円安は輸入物価の押し上げにつながり、物価上昇と実質所得の減少が避けられないとの懸念も強い。
  • 今後、補正予算が17兆円規模となれば、金利上昇と円安がさらに進む可能性が高いと見られている。

今回の157円台という円安は、単なる金利差では説明できず、日本の財政運営と通貨の信認に対する市場の不安を反映している。積極財政と金融緩和が同時に続く限り、円安基調は止まりにくい。政策の不透明感が続けば、日本経済は物価上昇圧力と円安リスクの双方に直面することになる。