定数削減、強行突破の不思議

これを書く現在、2026年のワールドカップの抽選が行われており、トランプ大統領やカナダのカーニー首相が会場にやってくるなど盛り上がりを見せています。日本はオランダなどと同じのF組。北中南米大会ということもあり、かなり分散型の開催となります。北米でサッカーはマイナーなスポーツだったのですが、それでもメジャーリーグサッカー(MLS)が出来たのは1993年。いまだ局地的盛り上がりしかないのですが、当地時間12月6日に今シーズンの頂上決戦で西の王者、バンクーバーのホワイトキャップスと東の王者マイアミのインテルマイアミが激突します。バンクーバーのゴールキーパーは高丘陽平。野球対決に続く米加バトル、さてどうなるか楽しみですね。

では今週のつぶやきをお送りします。

株式市場はクリスマスラリーへ

市場参加者として今日の居心地は悪くないと思います。ただ、私は基本的に年末までに売る予定の銘柄は売り進めていきます。最近売却した1つはビットコインのマイニングの会社。ビットコインの相場は雲の中でつかみどころがない中にいて乱気流に巻き込まれやすいため、相場を中長期の視点で見ると投資の対象になりにくいのでビットコインの相場が今後どうなるかは別として投資のポリシーにそぐわないと判断しました。

またハイテク関連も年内売却します。AIはいったん過渡期になり、次のステージは新開発のニュースに踊らされるのではなく、収益を生むかどうかが投資の判断になるとみています。その場合、北米ならハイテク巨大企業ではなく、その周辺企業の方が株価の反応度は高くなりますので次のテーマを見据えてしっかり分析していくことが重要になると思います。金銀銅については私は引き続き強気なのでこれはホールド。ちなみに私はカナダの石油関連も結構買っていますが、最近さらに買い増しをしています。市場の予想とは真逆に動いたのは自分なりの考えがあるからです。

株式のクリスマスラリーとクリスマスショッピングは似たところがあり、バーゲンの商品を見てもよいものは既に売り切れており、売れ残り商品が安くなっていることが多いと思います。同様に日米の株式市場でも株価指数がこれだけ高いにも関わらず、笛吹けど踊らずの銘柄はそれなりの価値しかないということです。一方欲望は無限であり、現実(=企業利益)がそれについて行かないのですが、それに気がつき、宴の後に激しい下落が伴うこともしばしばあります。私は年明けの二日酔いにはご用心と自分に言い聞かせています。

定数削減

自民と維新が進める衆議院議員数定数削減法案の最終案がまとまり、今国会に提出されます。最近になって維新から異論があった元維新の議員3人が与党入りしたので衆議院は与党過半数となり、数の上では衆議院は通過できるかもしれませんが、参議院は簡単ではないでしょう。私も含め多くの皆様にとってこの降ってわいたような定数削減がこんなに早く法案として上がり、結論が出なければ1年後に強制的に45議席分削減という強行突破に不思議な思いをしている人もいらっしゃると思います。

連立政権の合意書を手にする高市早苗総裁(右)と日本維新の会の吉村洋文代表 自民党HPより

そもそも削減の理由は何か、といえば高市氏は「維新がそう言った」といい、「なぜ1割削減か」と聞かれても「維新がそう言ったから」とずいぶん人を食ったような答弁をしています。ではなぜ、維新は定数削減にこだわるのか、これも明白ではありません。自民との連立協議では当初は大阪副都心構想と社会保障改革だったのに途中で定数削減案が加わり吉村氏は絶対3条件として突き付け、自民党はそれを受け入れ、かつ、あとから加わった定数削減が最も高いプライオリティになっているのです。

維新は改革政党のイメージを打ち出しているわけですが、株価が上昇し、万博も終わり、景気も悪くない現状において改革はメインテーマではなく、維新にもスポットライトが当たらない中、「改革の維新旋風よ、今再び!」という具合だと感じます。正直、これを推し過ぎると維新が次の選挙で失速する気がします。今、定数削減をここまで優先する絶対的必要性はないはずです。議員は人口比でも多すぎるわけではなく、むしろ、最近の政治はいろいろな意見が出てきて面白くなってきたところだけに私からすれば流れの真逆を行く維新という風に見えてしまうのです。関西の思想はようわからんけど。

忘年会の季節、アルコールとどう付き合うか?

長年の読者はご承知かもしれませんが、私は2.5年前に肝臓の検査の結果、相当悪いと診断され、酒を止めるように言われました。少し減らす努力をして半年前に再び検査をするため麻酔準備で寝かされていた私に医者から「あの時、酒を止めるように言ったがその後どうした?」と問い詰められ、できていない私に「怒りの鉄拳」をぶつけました。さすがに私も諦め、その日以降、家の冷蔵庫からビールが消えたのであります。先日、またその医者の半年後検査があり、結果を聞かされたところ、「君は一体、何をしたのだ?本当に酒を減らしたのだな。こんなに数字が良化するなんて驚いたぞ」とべた褒め。嬉しくてその所見書を取り寄せてパソコンに保存したほどです。

日本に行くと飲食店の看板には「90分飲み放題」だらけ。だけどケミカルの塊のような安い酒で悪酔いしそうです。店では酔いの勢いもあり、つい声が大きくなる若者の集団に私のような人間はこういう店には来ちゃいけないのだなと悟ったこともあります。若者は飲まなくなったと言いながら不味そうな安酒は飲むのかと思うと一体なにが本当の答えなのかわからないこともあります。

私は家では飲まないと言いながらもあるワイナリーのクラブに入っており、半年に1度、6本ずつ一般酒店で手に入らない限定ものが送られてきます。(もちろん有償で、6本で毎回3万円です。)配ったりするつもりで買っていますが、先日久々に一本開けて飲んでみたら旨いのなんの。これぐらい品の良いワインを少したしなむぐらいがアルコールとの上手なお付き合いなのだろうなと納得しました。レストランの味のレベルが落ちているので逆にレストランに行かないで家でよいワインと良い食材を楽しむほうにシフトしていくのでしょうか。忘年会もほどほどにしておきます。

後記
会社の携帯電話は2年リース。通信会社から「そろそろ更新です」と電話があり、ブラックフライデーにディールをしてiPhone17を安くゲットしました。日本と違い、こちらは電話とメールのやり取りで完了したら宅急便で会社に送られてきて、自分でSIMを取り換え立ち上げる仕組みです。古いiPhone15は私が買い取るなら3万円、通信会社に返せば無料というディールです。だけど諸処細かい確認で通信会社から電話が5回ぐらいかかってきました。懇切丁寧で、売る方も大変な労力だと思いますが、販売効率は抜群と言えそうです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年12月6日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。