首都直下地震でタワマンは倒壊しないが、、、

政府の中央防災会議の作業部会が首都直下地震の被害想定を発表しました。前回の2013年に発表された数字と比較すると減災対策の効果が反映され、改善されている数値もあります。

全体の被害がどうなるかの予想を知ることより重要なのは自分とその周りにいる人たちを不測の事態からどう守るかを考えておくことです。

私が住んでいる晴海のタワマン密集地は道路は広く木造住宅もありません。新耐震の鉄筋コンクリート建てですから地震による倒壊はあり得ません。

マンションの上層階は横揺れによる家具の倒壊リスクはありますが、これもタンスや本棚などが無ければ心配する必要はありません。

上層階に住んでいる場合、地震による直接的な被害より被災後のライフラインの確保を考えておく必要があります。

停電や故障でエレベーターが動かなくなれば、水や食料の確保が難しくなります。また、停電が長引けば電源確保できないと冷暖房だけではなく携帯の充電もできなくなります。電気については補助電源が確保されてはいるものの実際に作動するかどうかはわかりません。

電気・水道といった生活インフラが復旧しても金融システムの混乱が続くこともあります。ATMが作動しなかったり、クレジットカードが使えない事態を想定すれば、復旧に1週間程度かかることを想定してまとまった現金を手元に用意しておくべきでしょう。

とここまで様々な災害時の対策を書いてみましたが、上記は自分が自宅にいる時の事態を想定します。もう1つ想定すべきパターンは自分が外出していて自宅にいない場合の対応です。

例えば、地下鉄の車内や首都高速を走っている時に遭遇すれば、身動きが取れなくなるリスクがあります。

また交通機関がストップすれば外出先からは歩いて帰るしかありません。実際、2011年の東日本大地震の時、私は六本木にいて自宅まで2時間近くかけて歩いて帰りました。

自宅で寝ている時、起きている時、外出時のそれぞれのタイミングで大規模災害に遭遇した場合にどのようにして命を守り、災害から復旧までの生活インフラを確保するのか。

有事のことは平時に考えておくことが大切です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年12月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。