2025年 マネー、外交、政治、社会現象の総決算

一年最後の「今週のつぶやき」は「今年のつぶやき」として1年を振り返る特別編にしています。その2025年、話題は多かったと思います。改革に向けた動きが多かったと思いますが、人々はなにかブレイクスルーを期待しているのでしょうか?

早速本題に入りたいと思います。

踊ったマネー、表彰台は金銀銅

まぁとにかく小銭稼ぎはやりやすい年だったと思います。日本では新NISAが普及してきた中で「おっ、結構上がっているじゃん」とにんまりしている方も多かったでしょう。でも上がったのは株価だけではありません。金利も物価も上がりました。悲鳴を上げたのが「貯金ゼロ層」。30年近いデフレと低成長で「ライフワークバランス重視」=「今が良ければよい」=「年金、払わないし、貯金がなくても大丈夫。でもスマホにはお金をかける」という公式が成立していた層にとっては令和の大転換に「マジ?」。

日本版格差時代とするなら貯金や資産のあるなしがモノを言い、堅実な人ほど懐は温かくなった気がします。だけど日本の株価もアメリカ次第。東から昇るお天道様をみて太陽の色は「ゴールド色じゃないか!」と思っている方もいるでしょう。金銀銅は年末になっても連日高値で「ヒカリものは強い」という印象を打ちつけました。何、AIを忘れてもらっちゃ困る、というでしょう。昔の名前で出ているアメリカ大手ハイテク株で年初来安値と高値の差が2倍以上あったのはエヌビディア、グーグルとテスラ。へぇ、案外頑張っているじゃないかという印象ですが、昔の名前で出ているあの三菱重工で儲けたという話を誰もしないのと同じことです。

外交

トランプ氏は外交の主役を演じるほどいぶし銀の演技力はないけれど「目立ったで賞」は差し上げます。イスラエル問題は取りあえず収まりました。だけどイスラエルは来年の攻撃目標をイランに据える気かも。ネタニヤフ氏は懲りない男なのです。ウクライナ問題は「ようわからん」が本音。確かにここに来て動きはあるけれど領土問題はたやすくないでしょう。この背景の一つに締まりのない欧州を見ています。やれEU、やれNATOというけれど本当はどの国もみんな我儘だけど我慢しています。それが爆発すれば欧州の危機が本当にやってきます。

東アジアに目を向ければ中国が本当に冴えなかったと客観的に申し上げます。14億人いるならもっと想像力逞しく経済だって成長ができるはずなのに「ブラックホール習近平氏」に14億人のエネルギーを吸い取られてしまい、国家の体をなしているとは思えない散々な状況です。経済不況に就職難、政府高官の腐敗となれば期待するのはトランプ様のほほ笑みのみ。東南アジア諸国も中国サマサマから一歩引く感じが見えてくる中で日本がもっと存在価値を上げてもよいのかなと思います。世界が疑心暗鬼だからこそ、日本は安心安全の外交を着実に進め、目先の「飴玉外交」ではなく、しっかりと果てしなく続く道を築いて欲しいと思います。日本はチャンスです。

トランプ大統領と高市首相 首相官邸HPより

政治

世界がなぜ疑心暗鬼になったか、その一つに行き過ぎた民主主義(ポピュリズム)の反動を見ています。つまり個の権利をそれぞれが主張すれば収まりどころがないのは目に見えています。だからこそ、明白な目的意識をもった政権が強くなる時代になったとみています。併せてバラバラのベクトルを一方向に集約するには強力な国家論が手っ取り早いのであります。世の中の趨勢にはうねりがあるのですが、今は強い国家が正解。よって正道は日本やイタリア。邪道が英国や韓国。

で、日本の場合は石破マシュマロ政権に「焼けばおいしいけれどちょっとだけで結構」と賞味期限を迎え、突然、辛さ10倍の高市政権を選ぶこのギャップに「日本人はマゾやなぁ」と海の向こうから眺めておりました。就任2か月、刺激が強すぎて汗だくになりながらも「食べて、食べて、食べ続けている」うちにこれは旨いと異様な高支持率に国民民主の玉木さんも「僕もやっぱ与党に入りたいなぁ…」と思うほどに。野田さんは申し訳ないほど冴えなくなり、私から見れば「老けたなぁ」と。野党が頑張らないと日本総与党の時代になってしまいます。

社会現象

お前はそれを選ぶか、と言われるかもしれませんが、伊東市と前橋市の市長様の話題は堪能させていただきました。両名とも言葉で謝罪、気持ちで闘志なのですね。伊東市は決着がついたけれど前橋の件、実は私はなんちゃ思っていないのです。ラブホなんてファッションホテルでカラオケしに行くところという面もあるのです。また私が秘書の時は某ホテルに年間契約の部屋があり密談はそこで行いました。日本は安くて手軽に密談するところが少ないし、その昔「電通」元幹部から直伝だったカラオケ屋会議は狭い上に他の部屋の歌声が嫌なのです。ラブホミーティングはちょっとした冒険的アイディアだったけど一般良識ある市民の目という点で市長さんが行くにはふさわしくないかもですね。

万博ですが私は会期中2度も大阪に行きながらも暑さに耐えきれず。一度なんて大阪城の入場券売り場まで行って暑さの中、長蛇の列を見て、「帰ろっ」。なのに万博に10回、20回行く人たちが多い関西人の逞しさになぜ、と聞けば「子供相手の絶好の時間つぶしや」に思わず「ほんまかいな?」。暑さに関しては世界どこでも異常なほど。ここバンクーバーも毎年この時期は寒波が来るのに私は半そでシャツにジャンバー着ているだけ。日本では熊も餌がなくて山から下りてきたわけで社会現象というか気象現象にも翻弄された2025年でありました。

後記
ひろの2025年は病院との格闘でありました。肝臓と膝と眼科の専門医にかかり続け、膝は手術でひと段落、眼科は昨年手術して経過観察が続いているけれど先週、「来年再手術かなぁ」と先生に言われ「再来年以降に先延ばしを」と懇願する私。歳をとるとどうしてもカラダのあちらこちらに異常が出てくるのだけど内臓系は数字で管理するので早めに対策すればコントロール可能。実際肝臓は医者が驚くほどの改善。そうしたらホームドクターに「でもコレステロールがダメよ」と言われ、「ははっ、2026年の改善目標にさせて頂きます!」。新たな健康度達成目標ができたわい、ぐらいの感じであります。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年12月27日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。