aespa(エスパ)紅白出場にNHKの「事なかれ対応」が奏功

第76回NHK紅白歌合戦に初出場したaespaをめぐっては、出演発表の段階から本番、そして年明け後まで騒動が続いた。議論の中心は歌やパフォーマンスの出来ではなく、過去のSNS投稿を発端とする炎上と、それに対するNHKの対応、さらに本番での「異例の扱い」にあった。NHKとしての判断の難しさを浮き彫りにしたとともに、公共放送の在り方にさらなる疑問符を投げかける結果となった。

  • 2022年5月
    中国人メンバーのニンニンが、きのこ雲を連想させる形のランプ写真をSNSに投稿。
    当時は大きな問題にならなかったが、後に炎上の火種となった。

「かわいいランプを買ったよ~~どう?」 ニンニンの投稿した「きのこ雲ランプ」

参照:「きのこ雲ランプ」投稿で批判拡大のaespa、NHKが紅白出演に「問題なし」

  • 2025年末(紅白出場決定後)
    aespaの紅白初出場が発表されると、3年前の投稿が掘り起こされ、日本国内で批判が拡大。
    出場反対の署名は14万筆を超え、国会でも話題になる。

  • 本番直前
    NHKは出場維持を決定。
    その後、直前にニンニンがインフルエンザと理由で欠場し、3人での出演が決まる。

  • 2025年12月31日 紅白本番
    曲やグループの十分な紹介がないまま「Whiplash」が突然始まる。
    広島出身でもあるふたりの司会との絡みはなく、終了後も簡単な謝辞のみという異例の扱いとなる。

  • 放送直後〜年明け
    SNSで「初出場なのに扱いが雑」「NHKが及び腰」といった批判が噴出。
    一部で仮病疑惑や、歌唱時刻を原爆投下時刻と結びつけるような「深読み」まで拡散する。

  • 日韓の反応の差
    日本ではNHKの演出への不信感が強まる一方、韓国メディアはニンニンの不参加を健康問題として淡々と報道し、両国の温度差が目立った。

今回のaespa紅白出場は、過去の炎上案件を抱えたまま「出場はさせるが、目立たせない」という中途半端な対応が、かえって不自然さと不信感を増幅させてしまったと言える。結果として、投稿に不快感を持った人びとの反発を和らげることも、ファンの期待にも応えることもできず、「誰も納得できない」結末となった。しかし、どんな問題でもすぐに忘れ去られていくという現代社会においては、NHKのとった対応は不誠実だが「適切」だったのかもしれない。

aespa 左からニンニン、カリナ、ウィンター、ジゼル Wikipediaより