衆院選を前に、高市早苗首相の「円安で外為特会ホクホク」発言をめぐり、みずほ銀行エコノミストによる批判的なレポートが波紋を広げている。外資ではなく国内メガバンクから異論が出たこと自体が異例で、政権の経済認識への不信と、世論と実業界の評価ギャップが鮮明になった。
- 高市首相は円安を肯定的に評価したが、そもそもその前提の認識がおかしいと批判されている。
- みずほ銀行の唐鎌大輔氏は「円安容認かどうかは本質ではない」と指摘した。
- 「円安なら国内投資が戻る」との首相の見方は前時代的で、現実と合っていない。
- 外為特会は通貨防衛の有限な原資であり、重要なのはドル建て保有額で、円換算評価は意味がない。
- 円安の本当のリスクは金利上昇で、円キャリーの逆転が起きれば政府の外貨資産に大きな損失が生じ得る。
- 最悪の場合、円急落や国債暴落が連鎖し、金融・財政の混乱を招く恐れがある。
- 金融・産業界には政権への警戒感が広がる一方、一般世論には危機感が届いていない。
- 一方、みずほが中国に「瑞穂証券有限公司」を設立したため高市政権を批判しているという陰謀を指摘する穿った見方も一部である。
今回の指摘は、単なる言葉遣いの問題ではなく、為替・金利・財政をめぐる高市政権の認識への金融業界の不信感を浮き彫りにした。レポートは実業界の危機感を可視化したにすぎず、「円安と外為特会」をめぐる議論が今後の政策と選挙の重要争点になり得るかが注目される。
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みずほ銀行