(前回:佐倉ふるさと広場拡張整備計画を問う⑬:「完成しない公園」という選択)
これまで本連載では、現在佐倉市が進めているふるさと広場拡張整備計画について、来場者想定、交通、財政負担、マーケティング、制度設計といった複数の角度から分析を行ってきた。
また、現行計画の問題点を指摘するだけでなく、私なりに考え得る限りの補完策や代替的な考え方についても提示してきたつもりである。
さらに後半では、単に手続きを補填するという発想を超え、この広場が本来持つポテンシャルを前提に、どのような公共空間として「整備され続けるべきか」という将来設計について、私自身の考えを述べた。
それは、完成形を固定せず、検証と修正を繰り返しながら育てていく「完成しない公園」という選択であった。
一方で、現実の行政プロセスは、本来実施されるべき需要予測やマーケティングの多くを行わないまま進められてきた。
本計画は、2026年6月に予定されている指定管理者選定の議決をもって、私がこれまで指摘してきた数々の致命的な欠落を抱えたまま、約30億円規模の大型観光事業として固定化される可能性が高い。
佐倉市民の皆さまへ
市議会議員である以前に、私は皆さまと同じ佐倉市民の一人である。
その意味で、佐倉市民の皆さまはこの計画を「すでに決まった話」として受け止めるのではなく、ぜひ一度立ち止まり、内容を確認し、自分なりの判断をしてほしいと考えている。
第10章で触れたとおり、私は佐倉市議会において28名中2名という小規模な会派に属している。
議会の多数を占める会派が、市長部局の進める大型事業を可決させるため、議会運営上のあらゆる手段を用いることは、これまでも繰り返し見てきた光景である。
だからこそ、少なくとも今後の2月定例会における次年度予算審査、そして6月定例会での指定管理者選定議案について、どのような議論が行われるのかを注視してほしい。
それは、特定の議員を支持するためではなく、自治体が大きな判断を下す過程を、市民自身の目で確かめるためである。30億円の投資と、年間6千万を超える管理費用を認めるかどうかは、あなた次第でもあるのだ。
全国の読者の皆さまへ
また、全国の読者の皆さまには、本件を一地方都市の特殊な事例としてではなく、「市長部局と議会が緊張関係を失ったとき、どのような計画が、どのような速度で進んでいくのか」という一つの類型として捉えていただければと思う。
マーケティングや需要検証が十分に行われないまま、高い強度と速度で進められる大型事業は、決して佐倉市に限った話ではない。
本連載が、特定の結論を押し付けるものではなく、判断の材料を提供するものであったとすれば、筆者としてこれ以上の望みはない。
ふるさと広場の未来を決めるのは、計画そのものでも、議会でもなく、この街に関心を持ち続ける人々一人ひとりの判断である。
■