2025年7月に日本生命で発覚した情報不正持ち出し問題は、その後第一生命・住友生命・明治安田生命へと連鎖的に広がり、生保大手4社すべてに共通する業界体質の問題として浮上した。12日時点の判明件数は約3517件に達し、金融庁が報告徴求命令を出す異例の事態となっており、単なる不祥事ではなく窓販ビジネスの構造そのものが問われ始めている。
- 日本生命1500件超、第一生命1155件、住友生命780件、明治安田生命39件の計3517件で、銀行など代理店の販売実績や他社商品情報、営業評価基準や一部個人情報が私用スマホ撮影や紙資料手渡しで持ち出され、代理店サポートや商品説明に使われたとされるが、直接営業利用や不正競争防止法違反は各社とも否定している。
- 背景には窓販解禁後に常態化した代理店出向制度があり、競争激化と長年のなれ合いにより他社情報入手が半ば慣行化し、第一生命は社会常識から外れた不適切行為と謝罪、識者からは顧客不在の競争と本社が営業現場を統制できていない構造が原因と指摘されている。
- 各社は組織的指示を否定しつつ私用スマホ禁止や監視強化を進め、2026年春から営業目的出向を原則廃止し、第一生命では経営陣の報酬返納や幹部処分が行われた。
- 「また生保か」「業界ぐるみ」「信頼がますます失墜した」といった批判が広がっており、逮捕者が出ない点や過去の不祥事への疑念も相まって、不信が拡大している。
今回の問題は個人の不正というより、代理店依存と販売競争を優先してきたビジネスモデルが生んだ必然的な結果とみられている。出向廃止などの対策は始まったが、顧客本位を掲げながら実態が伴っていなかったとの不信感は強く、生保業界が本当に体質を改められるかが今後の最大の焦点となる。
金融庁