NHKのBS再編で8Kが廃止か:もうテレビの時代じゃない

NHKの衛星放送が、再び見直される可能性が出てきました。朝日新聞の報道によると、NHKは2027~29年度の中期経営計画案に、BS放送の再編を検討する方針を盛り込みます。焦点となるのは8Kの存廃です。

8K放送開始の式典

高画質化に視聴者はついてきたのか

NHKはこれまでBSのチャンネル削減を進めてきました。2023年12月にはBS1とBSプレミアムを「NHK BS」に統合し、BS4Kを「NHK BSプレミアム4K」に再編しました。一方、BS8Kは維持してきました。今回の検討は、その8Kにも踏み込むことになります。

8Kはスポーツや美術作品などを高精細な映像で伝える技術として期待されてきましたが、技術的に優れていることと、家庭で広く利用されることは別問題です。対応機器の購入や受信環境の整備に見合う魅力を、視聴者に示せているかが問われます。

民放は4Kからも撤退へ

衛星放送の高画質化をめぐっては、民放側の撤退が先行しています。民放キー局系のBS5局は、2027年1月の認定更新を行わず、BS4K放送を終了する方針を発表しています。高画質の番組を届ける手段として、衛星放送を維持する必要があるのかという問題が浮上しています。av.watch.impress.co.jp

NHKの井上樹彦会長は今年7月の国会答弁で、8Kについて、生放送の活用や設備投資の抑制によって制作を効率化する方針を説明しました。一方、将来のあり方については、国内外の動向を踏まえて検討するとしていました。今回の報道は、こうした見直しの延長線上にあります。kokkai.ndl.go.jp

技術開発とチャンネル維持は分けて考えるべき

公共放送には、民間だけでは担いにくい技術開発や文化的な映像の保存を進める役割があります。採算性だけで事業の価値を判断することは適切ではありません。

それでも、8K技術の研究を続ける意義と、専用の衛星チャンネルを維持する必要性は、分けて検証すべきです。今では画像圧縮などの技術は民間のほうがはるかに進んでおり、NHKが国策で進める必要はありません。

1985年にアナログの「ハイビジョン」がITUの標準化に敗れたとき、NHKの高解像度テレビの技術は終わりました。それからの40年は、世界のデジタル技術に追随するだけでした。そして今では、PCのウェブカメラでも4Kや8Kがあります。もうテレビの時代ではないのです。

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