日本の財政は世界の優等生か?

このごろ高市首相や内閣広報官が「日本の財政は世界の優等生だ」というのは、ここでFTも紹介しているIMFのレポートだろう。

FTは世界最悪なのはアメリカとフランスだとしているが、日本も優等生というわけではない。そのIMFのレポートの要旨は次のようなものだ。

  • 足元の財政は改善している
    インフレによる税収増とゼロ金利時代の国債の低金利のおかげで、プライマリーバランス赤字は2021年のGDP比8%から2025年には推計1%に縮小した。名目GDP成長率が政府債務の実効金利を上回り、債務比率を押し下げている。
  • 政府資産も含めて評価する必要がある
    総債務はGDP比約207%で世界一だが、現預金を差し引くと約186%、特別会計の貸付金や外貨準備なども含めた純債務は約137%で、世界一ではない(1位はイタリア)。さらに日銀の保有株式やGPIFなども差し引いた一般政府部門では約89%になる。ただし年金資産などは将来の給付にあてるもので、現在の支出に自由に使えるわけではない。
  • 金利上昇の影響は時間差で表れる
    国債の平均償還期間は約9年と長く、今はゼロ金利時代の国債が残っているので、実効金利はまだ低い。この「金利ボーナス」が財政赤字が急速に改善した原因だが、高い金利で借り換えが進むにつれ、利払い費は2025年から2031年にかけておおむね倍増する見通しである。

各国の一般政府部門の財政赤字(IMF)GDP比%

  • 長期的には高齢化と利払い増が重荷になる
    現行政策では、総債務比率は2030年代半ばに約190%まで低下した後、再び上昇すると予測されている。円建て国債や厚みのある市場は短期的な危機を抑えるが、長期的な財政負担は解消しない。
  • 必要なのは早期からの着実な改革である
    医療・年金改革、対象を適切に絞れていない補助金の縮小、質の高い公共投資への配分を提言している。家計支援も、財源を確保し、一時的かつ対象を絞った措置にすべきだ。消費減税などしている場合ではない。

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