住宅価格の高騰を背景に、20代の住宅ローン負担が急速に膨らんでいる。総務省の家計調査によると、2025年に負債を保有する世帯主29歳以下の世帯の平均負債額は3037万円となり、初めて全年代のトップに立った。負債の大半は住宅ローンである。
「2人以上世帯」のデータであることに注意。
今は,20代で結婚するのは「勝ち組」だからな。
— 舞田敏彦 (@tmaita77) October 25, 2026
【参照リンク】20代以下の負債、全年代で最多に 超長期住宅ローンも影響 日本経済新聞
東京23区の新築マンション平均価格は1億3784万円と過去最高を更新した。もはや平均的な勤労世帯には手が届かない価格だ。若いうちに住宅を購入しようとすれば、多額の借金を背負わざるを得ない。

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若者の借金は年収の4.5倍
20代以下の負債保有世帯では、負債額が年収の4.5倍に達している。全年代平均の2.1倍と比べても突出している。
ただし、3037万円は20代全体ではなく、借金をしている世帯の平均である。住宅を購入する若者は比較的所得が高い層に偏っている可能性があり、これだけで若者全体が借金漬けになっているとはいえない。
問題は借金の金額よりも、返済能力とのバランスだ。住宅価格が上昇するなか、返済期間を40年、50年に延ばす住宅ローンも登場している。毎月の返済額は減っても、完済年齢は高くなり、利息負担も増える。
インフレで借金が軽くなるか
インフレになれば借金の実質価値は低下する。固定金利で住宅ローンを借り、給与も物価と同じペースで上昇するなら、返済負担は時間とともに軽くなる。
しかし、日本の住宅ローンは変動金利が主流だ。インフレが進めば日銀は金融引き締めを進め、住宅ローン金利も上昇する。
例えば3000万円を35年間借りる場合、金利1%なら毎月の返済額は約8.5万円だが、3%なら約11.5万円になる。年間約36万円の負担増だ。
変動金利では返済額の見直しルールによって影響は異なるが、金利上昇による負担増は避けられない。物価高に賃金上昇が追いつかなければ、生活費と住宅ローンの両面から家計が圧迫される。
マンション転売への増税は逆効果か
自民党では都心マンションの高騰対策として、短期転売益への課税強化が議論されている。
しかし、転売益への重課が住宅価格の引き下げにつながるとは限らない。税率を引き上げれば、売却を先送りする所有者が増え、中古住宅の流通量が減少する可能性がある。供給が減れば、かえって価格を下支えしかねない。
住宅価格高騰の背景には、建設費や人件費の上昇、都市部への人口集中、住宅供給の制約がある。投機対策だけで解決できる問題ではない。
住宅ローンが若者の人生を縛る
住宅ローンの返済は数十年に及ぶ。その間には転職、失業、出産、育児など、家計を左右する出来事が起こる。住宅価格が上昇している間は資産形成に成功したように見えても、金利上昇と価格下落が重なれば状況は一変する。
今回の統計は標本数が少なく、年代別の順位を過大評価すべきではない。それでも、若年世帯の返済負担が重くなっていることは見逃せない。
問題は若者が3000万円の借金をしていることではない。住宅を買うために、若者がこれほど大きな金融リスクを背負わなければならなくなったことだ。
低金利時代には借金して住宅を買った人が利益を得やすかった。しかし、金利のある時代には、その成功体験が家計破綻の引き金になるのかもしれない。







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