日本教育学会が本田由紀会長の差別発言について見解:一般非公開で批判が集中

10月27日、日本教育学会(会長・本田由紀東京大学教授)は、本田氏によるSNS投稿をめぐる倫理委員会の見解を、会員限定で1カ月間のみ公開すると発表した。一般向けには内容を公表せず、理由も示されていない。これに対しXでは批判が相次いでいる。

「遺伝的要因」を差別した教育学会長

発端は同年9月1日。本田氏が自身のXアカウントで、皇室関連の報道や写真を引用・リポストし、「この人たちを目にするたびに、遺伝的要因のおそろしさを感じる。露出の増加が逆効果になるかもしれない」と投稿したことだ。

三笠宮家の彬子女王らを念頭に置いた内容と受け止められ、「遺伝を理由に人を評価するのは差別」「血統や門地による否定的評価は人権侵害に当たる」といった指摘がSNSなどで広がった。朝日新聞などの報道で広く知られるようになり、本田氏が会長を務める日本教育学会は「倫理委員会で対応を検討中」としていた。

本田氏は9月5日、自身のXで長文の「解説」を公表。「遺伝的要因」とは、麻生太郎氏が血縁者を優遇しようとする姿勢を指したもので、差別や優生学的意図はないと説明した。しかし批判は収まらず、教え子とされる古市憲寿氏や三浦瑠麗氏らからも苦言が寄せられた。東京大学側は教育学研究科長が本田氏に注意を促したと後に明らかにしている。

10月27日、学会公式サイトに法人理事会名義の告知が掲載された。内容は以下の通りだ。

このたび、本学会会長によるSNSへの投稿について、倫理綱領との関係を問う質問が複数の会員から寄せられたことを受け、日本教育学会倫理委員会において検討が行われ、見解が取りまとめられました。

本見解については、法人理事会での審議を経て、会員限定のシステムであるSOLTIにおいて1か月間(2026年10月27日から11月26日まで)、公開することといたしました。会員の皆様におかれましては、SOLTIにログインの上、ご確認ください。

見解の内容は会員以外に公開されず、なぜ会員限定・期間限定とするのかの説明もない。学会の倫理綱領には、差別の禁止や専門的意見の公表時の根拠提示などが定められているが、今回の対応との関係は一般には検証できない状況だ。

なぜ非公開なのか理由も不明

X上では発表直後から批判が集中している。哲学者の桑原旅人氏は「社会に向けて公開された発言をどう評価したのか、社会の側から検証できない。公開を制限する理由も説明されていない。少なくとも、判断の要旨と根拠、会員限定・期間限定とする理由は公表すべきだ」と指摘。

菊池誠氏は「会員限定かつ期間限定ですよ。日本教育学会はよほど外部に知られると都合が悪いことを抱えているのだろうね。 一般に公開することを求めるし、マスメディアは追及するべきですよ」と指摘した。

それ以外にも「トップを守るために文章黒塗りか」「本田由紀はこれで逃亡するつもりか」といった批判の声が上がり、擁護する声はない。

日本教育学会は国内最大規模の教育関連学会の一つで、約2700人の会員を擁する。会長の公的発言が社会的に注目される中、その見解を隠す対応は、学会自身の説明責任や透明性を問う声をさらに強めている。会員限定公開の期限は11月26日まで。内容が漏れるかどうかも含め、今後の動向が注目される。

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