米中間選挙は、トランプ大統領と共和党にとって予想以上にきびしい展開となっている。ウォーターゲート事件後の1974年以来の大敗になるのか。今回の選挙は単なる与党への逆風を超え、トランプへの拒否反応の強さを示している。

毎日新聞(日本時間13時現在)
トランプ推薦候補がのきなみ敗北
象徴的なのはノースカロライナ州だ。ロイターによると、民主党のロイ・クーパー前知事が、トランプ氏の支持する共和党のマイケル・ワトリー元全国委員長を破り、当選確実となった。共和党が選挙前に持っていた上院多数は53対47であり、民主党の多数奪還には差し引き4議席の上積みが必要だ。
民主党はさらに、ジョージア州でジョン・オソフ上院議員が再選を果たし、ニューハンプシャー州でもクリス・パパス氏が議席を守った。共和党は相手の議席を奪えず、自党の議席を失うという苦しい出だしになった。
下院でも民主党が接戦区で勝利を重ね、多数派を奪還する見通しが報じられている。ただし、1974年には共和党は48議席を失っており、今回がそれを上回るかどうかはまだわからない。最終的には民主党が240議席に達するという予想もあるが、それでも1974年の291議席(共和党の48議席減)には及ばない。
1974年、ニクソン大統領の辞任後に大敗
比較対象となる1974年の中間選挙で、共和党は下院議席を48減らした。ニクソン氏は同年8月に辞任しており、11月の選挙時点の大統領はフォード氏だった。ウォーターゲート事件と、後継のフォード大統領によるニクソン氏への恩赦が、共和党全体に重くのしかかった。
「上院4議席減」という数字には、結果が争われ、1975年の再選挙で民主党が勝ったニューハンプシャー州も含まれる。また、州知事選の「4増」は民主党の純増であり、共和党の純減は5だった。提示された「共和党が知事職を4つ失った」という説明は、そのまま使うと不正確になる。
1974年の教訓は、大統領本人が候補者でなくても、有権者はその政党に責任を取らせるということだ。今回もトランプ氏自身の再選を決める選挙ではない。しかし、共和党候補は政権への評価から逃れられない。
議席数以上に問われる統治能力
もっとも1974年は大統領辞任後の選挙だったが、今回は現職大統領の審判だ。問題は政権への不信や生活への不満が、与党候補をどこまで押し流すかである。AP通信は今回の選挙について、物価高や生活費、汚職への懸念、イランでの戦争が有権者の判断に影響していると報じている。
民主党が下院を奪還すれば、トランプ政権は法案や予算の成立に野党との交渉を迫られ、議会調査にも直面する。上院まで失えば、人事承認を含め、残り2年間の政権運営はさらにむずかしくなる。
1974年の選挙のときニクソンは去っていたが、共和党は政治腐敗の大きな代償を払った。今回、有権者が共和党候補を通じて誰を裁こうとしているのか。その答えが、開票とともに見え始めている。






コメント