キオクシアが業績絶好調でも株価急落で「退場ポエム」続出

人工知能(AI)関連株の急落を受け、SNSでは信用取引で損失を抱えた個人投資家を皮肉る声が聞かれる。生成AIブームの代表銘柄、キオクシアホールディングス(285A)の株価は、10月末の1万5000円前後から急落。11月4日には一時1万円を割り込み、5日には9324円まで下落した。

好決算でも株価は急落

間違ってはいけないことは、キオクシアの業績自体は絶好調であることだ。

10月30日に発表した2026年7~9月期決算では、売上高が前年同期の約5.5倍、営業利益は約23倍に拡大。営業利益率は80%を超えた。生成AI向けデータセンターの旺盛な需要が追い風となっている。

ところが市場では、好業績を織り込んで株価が先行して上昇していたため、決算発表後は利益確定売りが殺到した。企業の業績がよいことと、株を買って儲かることは別問題である。

信用買い勢は含み損26%の苦境

深刻なのは、信用取引で株を買った個人投資家だ。

東京証券取引所が始めた個別銘柄の信用取引残高の日次公表によると、キオクシアの信用買い残は10月30日時点で約4800万株、推定含み損率は約26%に達した。

さらに11月4日には買い残が約5282万株に膨らみ、推定含み損率は35%程度まで悪化した。

株価が下落しているにもかかわらず信用買い残が増えていることは、損切りを避けて保有を続けたり、ナンピン買いを繰り返したりする投資家の存在をうかがわせる。

信用取引では、株価下落によって追証(追加保証金)が発生し、資金が不足すれば強制決済に追い込まれる。損失がさらに拡大する危険性もある。

SNSに広がる「退場ポエム」

株価暴落のたびにSNSで話題になるのが、投資資金を失った個人投資家による「退場ポエム」だ。

「AIの未来を信じていた」「家族に損失を言えない」「投資を始める前に戻りたい」。こうした悲痛な告白が相場急落時には繰り返される。

もっとも、問題の本質はAIという成長産業への長期投資と、信用取引による短期投機の混同にある。AIの将来性がどれほど高くても、株価が上がり続ける保証はない。成長期待が大きい銘柄ほど、その反動も激しくなる。

AIバブルの怖さは、企業の業績が悪化しなくても投資家が破綻しかねないことかもしれない。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント