「世界一の白トリュフ」が味わえるのは東京の銀座かもしれない

内藤 忍

Torsakarin/iStock

1年前に予約しておいた銀座の有名なステーキハウスで再び極上の白トリュフを味わう機会がありました。

いつものメンツでお店のカウンターを貸切り、ワインとお料理をじっくりと味わいました。

今年の白トリュフは歴史的な不作らしく、価格はなんと昨年より4割も高騰しているそうです。最高級品ともなると1キロあたり500万円という驚くべき値がついていると聞きました。

白トリュフの聖地といえばイタリア・ピエモンテ州のアルバです。しかし、最高の白トリュフ料理を堪能するという点においては銀座のこちらのお店が世界一なのではないかと感じました。

そう思う理由は3つあります。

まず素材のクオリティです。

白トリュフのような希少食材は、世界中の富裕層や名店による奪い合いとなっています。こちらのお店は現地のトリュフハンターから良いものであれば言い値ですべて買い取る。そんな取引を長年にわたって安定して続けています。

長年の購入実績で強い信頼関係を構築することで現地で流通するもの以上に素晴らしい白トリュフが最優先で集まってきます。

また大きなトリュフに限っては、収穫から数日経ったほうがむしろ香りと味わいが深まるのだそうです。そうなれば現地から輸送する際にかかる時間はメリットにすら変わります。

次に切り方です。

こちらのお店では白トリュフをスライサーで削るのではなく、包丁で贅沢にざく切りにします。

こうすることで香りが劇的に立つだけでなく、トリュフ本来の深い旨味をダイレクトに噛み締めることができます。

日本人にとってはイタリア人にはあまり馴染みのない「旨味を楽しむ」という要素も白トリュフの大きな魅力です。

さらに調理法も日本人向きです。

料理の組み立てやボリュームそして味付けに至るまですべてが日本人の嗜好に合わせて作られています。

シンプルな目玉焼き、深い味わいのコンソメスープ、贅沢なタルタル、濃厚なウニのパスタ、トロトロのクリームコロッケ、肉質が最高のシャトーブリアンステーキなどが少量ずつ出てきて味と香りの変化を楽しめます。

それと並行して出された分厚くスライスされた白トリュフ(写真)を板チョコのように豪快にかじるのも合法ドラッグのような媚薬性がありました。

参加した5人のメンバーが持ち寄ったワインと合わせて、唸るしかない濃密な時間を過ごしました。

私の人生の夢のひとつにイタリア・アルバで秋に開催される白トリュフ祭りに出かけるというものがあります。

ただ「最高の白トリュフを味わう」ということだけで言えば、わざわざ10数時間かけてアルバに出かけなくても、自宅から30分の銀座のほうが満たされる気がしてきました。

唯一の難点があるとすれば、今回の食事代がイタリアへのビジネスクラスでのフライト費用とあまり変わらないことでしょうか。それでも、これだけの唯一無二の体験ができるのであれば、価値はあると感じました。そしてまた来年の予約をして帰りました。

いつか本場アルバの地に足を運び、銀座の感動と比較しながら自分自身の舌で「世界一」を確かめてみたいと思っています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年11月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント