リアルタイムWebのメタデータとしてのTwitter

Twitterとは140文字限定の短いコンテンツをやりとりするマイクロメッセージングサービスです。トンマナがBlogに近いことからミニブログとかマイクロブログとも呼ばれていますが、Blogとは違い、一つの業者が独自のフォーマットで提供するサービスであり、むしろFacebookなどの欧米型のSNSに近いと言えるでしょう。

このTwitterが爆発的にトラフィックを伸ばしている理由はたくさんありますが、今日は技術的な要素の面から触れてみたいと思います。

TwitterはBlogと違いタイトルを書く必要がなく、いきなり140文字という短い投稿をします。だからあまり小難しいことは書けず、それがかえってモノを書くということに対する心理的障壁を外すことに成功しています。だから、まさしく頭に浮かんだことやみたことを、さくっと書き込める。それがTwitterをリアルタイムなメッセージングシステムにしているのです。

そして、その簡便さが、いま世界で何が起きているのか、という情報を、BlogやSNS、いやありとあらゆるニュースメディアよりも早く、Webに写しこむことに成功しているのです。

つまり、リアルの世界で起きていることを、(140文字 x 世界中の人が)非常に短いタイムラグの中で、デジタル化、Web化していくためのインターフェイスにTwitterはなりつつある。

さらに、Twitterの140文字という短い情報の中に、より多くの、より具体的な、より再利用しやすいデータを埋め込むための(マイクロフォーマット的な)工夫が次々と作られています。
 現在使われているのは、L:場所(=位置情報)、#○○(=タグ)、@アカウント(=特定メンバーへのメッセージ)、という工夫と約束です。

BlogとBlog検索、あるいはフィード検索が担おうとしてきたこと。
それがリアルの情報をWebにできるだけ早く置くことと、そしてそれをすぐに共有することでした。
ところがブロゴスフィアがもたもたしている間に、TwitterとTwitterサーチがその役割を担いつつあります。いまやTwitterは世界最大のメタデータフォーマットでありメタデータ検索サービスに最も近い存在なのです。

これがGoogleやFacebookなどが(もしかしたらAppleも?) Twitterを欲しがる理由であり、メディアやVCが注目する理由であると考えています。
 

コメント

  1. jota_shimazaki より:

    この池田さんのエントリに刺激されて、久々にTwitterのアカウントを思い出し、昨日は若干遊んでみました。 確かに、緩い縛りで簡便に書き込めて、何でも記載出来るような気はします。 ブラウザで読み書きしていると迂遠ですが、多分、専用アプリを使えばうんと高速に読み書き出来るのだろうと思います。 

    ということは、要するに入力のユーザーインターフェースが優れているからTwitterが伸びている、ということなんですかね? 色々な付加的情報を削ぎ落として単純の極みになったテキストがユーザの心を捉えたということなのだろうか?

  2. jota_shimazaki より:

    私としては、TwitterはAPIを広く開放し、様々な開発者が様々な機器や状況で使える便利な利用環境をサードパーティの力を利用して色々提供することに成功しているのが人気の一因なのではないかと思うのですが、しかし、そういう要因だけでもないような気がしてきました。

    Blogにはそれ相応の気の利いた付加機能があって、個人的にはblogのUIをTwitter並みに軽易にする工夫があれば、今からでも追いつけるような気がするのですけれど、やはりシステムが分離していて、別会社のblogを使っている場合には、反応速度が遅いのが大きな差別要因のような気もします。

    Twitterは単一システムなので、表示が高速、多分、IMの速度でとblogのように使える、というのが受けている点なのかも知れない。 速度は非常に重要なユーザインタフェースの要素ですから。

  3. jota_shimazaki より:

    Twitterヘヴィーユーザではないので大して役に立つ話でもありませんが、ユーザインタフェース部分については仕事柄ある程度関心が高いので今後もう少しTwitterの世界を泳ぎ回ってみたいと考えています。

    ★そう言えば、自分のTwitterをホワイトハウスのTwitterに繋いでみました。 まだ52,890人のfollowerですが、日本でもこういう試みがあっても良いかも知れませんね。