掲示板サイト「2ちゃんねる」(2ch)で3月1日に大規模な障害が発生した問題で、2chサーバが置かれたデータセンターの運営企業は「米国公的機関に対し、米国企業に対するサイバーテロとして調査依頼する準備をしている」という。本事案は韓国の有力紙「中央日報」(日本語電子版)が、韓国のネットユーザーによって1日の「三一節」(独立運動記念日)に2ちゃんねるへ大規模なサイバー攻撃を行う計画があると報じていた。
韓国からの大規模なサイバー攻撃で巨大掲示板「2ちゃんねる」のサーバがダウンした事件は、韓国のポータルサイトに開設された「正当なテロ対応カフェ」という名前のコミュニティーの呼びかけで攻撃が行われたとしており、2日時点で約10万人の加入者がいたという。日本政府当局、関係機関が本事案に対するコメントや事前、事後策をとっていないことに対しては誠に遺憾である。
先のグーグル社に対する人民解放軍のサイバーテロと同列で語ることはできないが、我国の政府、国民はこのような事案に対する慈悲がありすぎるような気がする。一部の勇敢な人たちが報復を試みたとの報道があったが、韓国側からの攻撃に比べ報復といえるレベルではなかったようだ。
たまたまサーバは日本国内に設置されたものではなく、被害を被った日本企業があったという報告は現時点ではないが、人ごとと聞いていていけないと思う。DDoS攻撃やF5攻撃の場合サーバー側は順次、攻撃を受けているホストとの通信を遮断するので、今回のような数万人単位での協調行動の場合、すべてのプロバイダーからの通信を遮断してしまう可能性が高い。攻撃を受けているサーバは数十台でもデータセンターそのものが、孤立してしまう可能性が高くなる。
これらのサイバーテロに対しての抑止は二つ考えられる。一つは報復攻撃をしかけ、受けた被害の数倍の被害を出させること、もう一つは破格の損害賠償を請求すこと。両者とも行った行為に対するコストを引き上げることだか、それしか方法はない。後者についてはFBI当局が動くとの報道だが、2チャンネルはある意味、日本の国民が使用している娯楽施設である。なぜ日本政府当局はこれらのテロ行為に対しコメントしないのか、私には理解できない。―もし政府がなにか韓国に対しメッセージを出せば、2チャンネルユーザーは鳩山総理に拍手喝采だろう―
追記
本日も1G以上の攻撃があったという。攻撃そのものより政府やその他機関の対応をじっと観察している組織があることを忘れてはいけない。