先週まで、参加していたIEEE802.11のWG Plenaryでは、TVホワイトスペースの標準化を進めるTGaf(Task Group af)が、相変わらず参加者も多く盛り上がっている。 このTGaは、2011年7月にはIEEE802.11afとして標準化される予定となっている。 このTgには、日本のNICTが多くの提案をしてるし、TG secretaryも勤めて、大きな貢献をしている。 この事は、1月の会合のあとに私の日記にも書いた。
しかし、これはあくまでアメリカのホワイトスペース方針に対して、IEEE802.11として利用できるようにしようという標準化であって、日本のホワイトスペースについては、まったく考慮されていない。 残念ながら、日本では、まだ明確なホワイトスペースの使途というか方針さえ決まっていないのだから、仕方がないと言えばそれまでだけど、少なくもと日本の現状を、情報としてインプットする事は、メリットがあるのだが、まったく連携がない。
こちらの標準ができあがってから、日本でもそれを使えるようにしようというパターンはあるけれど、 それはいままでの外圧により門戸を開けさせるパターンでしかない。 せっかく、日本もアメリカもこの新しい取り組みを同時期に入れるのだから、このタイミングから連携をするほうが、後になって混信問題とか住み分け問題にならなくて良いはずだ。 逆に、日本ではじまったホワイトスペースの検討会には、どれだけこちらの標準化の状況が伝わっているのだろかも気になるが、その関係者は見かけない….
今回は、私は無線LANを、アクセスポイントの近くで、いちいち立ち止まらなくても良くなるようにする標準の策定を動議提案して、正式にStudy Groupとして承認された。 これにより、Study Groupとしては、6ヶ月以内に標準化プロジェクトとしての承認を得るための文章を作成し、承認が得れればホワイトスペース同様にTask GroupとしてIDが与えられ、詳細な標準化作業にはいる。
この標準ができると、iPhoneなどをもって、スターバックスやマックの前を通り過ぎるだけで、新しいtwitterや株価情報、位置情報、メイルの更新などができることになり、Wi-Fiの利用シーンが拡大する。
たとえば、デジタルサイネージと組み合わせて、サイネージの前を通り過ぎると、自分の欲しい情報が取り出せる。 この時、セキュリティも確保されるため、会員向けの個別情報の配信とか、駅や空港で、搭乗する便に関連した情報を更新するなどもできる。
Wi-Fi搭載携帯では、Pushがたのサービスを、Wi-Fi経由でも受けされるようになる。 携帯のようにWi-Fiのエリアは連続していないけれど、立ち止まらないということは、大きな進化だろう。
今回提案は、Study Groupをつくる提案で、いわゆる言い出しっぺとなったもので、これから各社がこの標準にいろいろと思惑をのせて、参加してくることになるが、言い出しっぺになることは、国際競争力という意味では不可欠で、今回も提案に積極的に協力してくれて、動議に名前を連ねてくれたのは、アメリカの半導体メーカーとシミュレーター会社、ドイツの大学で、日本の皆様は、まだ様子伺いの状態なので、ぜひこれらから積極的な参加をしてほしいものだ。