私の逆マニフェスト ー 矢澤豊

矢澤 豊

細かい仕事をきっちりこなしてくれる、香港総領事館から、

「在外選挙人登録はお早めに!!」

という親切なメールが届きました。

正直なところ、

「また、選挙かよ...」

です。

民主党政権下のここ半年間、進歩と思えるところも少しあり、悪くなったこともかなりあり、今まで通りのことも多々あり。あれだけなりもの入りで政権交代だけしても、肝心なことはなにも変わらない、ということだけはハッキリしました。


民主党では、参院選向けのマニフェスト作成に入ったようですが、「政権交代」だけで大仕事は終わった、とでもいわんばかり。組織票狙いの小手先政策提言ばかりで、やっぱり「肝心」なことは何も変わりそうにありません。

結局、既存の「政治家」や「政党」に期待するだけの、他力本願では、日本は良くならない、ということです。

そこで、アゴラ読者諸賢の顰蹙(そして「レベルの低い投稿」というアゴラ管理人氏のお怒り)を覚悟で、以下のとおり私の「逆マニフェスト」を発表します。ここに示す「基本のキホン」事項の大部分に対し、納得のいく指針を示さない限り、いかなる政治家、政党をも支持しませんので、おかまいなきよう。

1.小さい政府を目指すこと

規模、人員数、予算額だけではなく、「権限」の縮小をお願いしたい。

2.財政再建に関して、明確な計画を示すこと。

もう「(当分は)増税しません」だけで選挙に勝たせてあげようとは思わない。オレたちをなんだと思っているのか。アメリカ人?

3.安易な官僚批判にとどまらない、官僚制度改革に真摯に取り組む

「官僚はバカ」ぐらい、幼稚園生でもいえます。優秀な人材を効率よく活用できる「仕組み」を作っていただきたい。

4.合理的、かつ一貫した経済成長政策を明示する

一国の政府に「いのちをまもるぅ~!」以上のことを期待してはいけないのでしょうか。

5.合理的、かつ一貫した安全保障政策を明示する

でも、やはり「いのち」ぐらいは、守ってください。

6.既得権益にメスをいれる

原則として消費者の利益に反する、もしくは新規参入障壁となっている業界団体/政治家/行政の仕組みを、見直していただきたい。手始めに「農協」というお題でお願いする。

7.社会保障政策の抜本的見直し

サステイナブル(持続可能)でなければいけないのは、何も環境だけではありません。選挙アピールの為だけの「切る/切らない」論争は卒業し、効率よい社会保障制度設計を、図面の引き直しから始めていただきたい。

8.国政から地方にいたる、各レベルにおいて、政治家(議員)の数を減らす

日本国内、どこをみても人員削減の嵐。政界だけがこれを免れるなか、「国民の痛みを分かち合う」などというオタメゴカシはもう聞きあきた。人員数/予算額の削減の余地は多い 。一票の格差の是正も同時にお願いしたい。

以上、現在の日本のおかれた状況を俯瞰するに、政治に携わるものが当然とりくまなければならない課題と思われます。各論は、専門家の皆様にお任せしますが、なにか上記に大事なことが抜けていると思われましたら、コメントよろしくお願いします。

最後に...

アメリカの公共放送サービス、「PBS」で、トーク・ショー番組を持っているタヴィス・スマイリーというテレビ・プレゼンター/ジャーナリスト/政治活動家がいます。アメリカのブラック・コミュニティーの心情を計る「窓」として、私は、定期的に彼の番組のクリップやビデオ・ブログをYouTubeでチェックしています。

このタヴィス・スマイリーが、2008年のアメリカ大統領選挙戦中、リベラル系コメディアン、ビル・マーの番組「リアル・タイム」に出演したときの発言が今も私の記憶にまざまざと残っています。

「自分の信念を代弁してくれる政治家を、当選させるべく、応援するのだ。当選しそうな政治家に、自分の欲するところを代弁させよう、というのは、根本的な部分で間違っている。」

オマケ
スマイリー氏の番組で、「スリラー」に曲を提供したジェームズ・イングラムが、録音スタジオで初めて観たMJの「パフォーマンス」を語る。

コメント

  1. hg_makky より:

    「逆マニフェスト」というアイデアは面白いですね。

    せっかく、アゴラという場があるので、みんなで喧々諤々の議論をしながら、「逆マニフェスト」作ってみる、というのはどうでしょう?

    例として、hg_makky案として、第七項を考えてみました。

    7. 社会保障政策の抜本的見直し
    子どもを作った家庭が尊重され、得をする社会を作ることで、持続可能な人口比率を作る。
    7.1 年金給付額を50%削減。
    7.2 余った予算を、保育所の充実など少子化対策費用に充てる。
    7.3 子ども1人につき、毎月5万円の子ども手当を支給