「電子書籍の衝撃」の衝撃 - 小飼弾

小飼 弾

電子書籍の衝撃は、思わぬ形で思わぬ者を襲いました。

ディスカヴァー社長室blog: 電子版と紙の本を読み比べ!『電子書籍の衝撃』刊行記念キャンペーンのお知らせ ●田中

『電子書籍の衝撃』の刊行を記念し、4/7(水)正午~4/15(水)正午までの約1週間、デジタルブック版『電子書籍の衝撃』を110円で販売キャンペーンを行います!

いや、賢いヒトであれば「思った形」かも知れません。

アクセスが殺到した同サイトがエラりまくったのです。

この事件を、「所詮Webサイト構築の素人のやってること」と賢しく切り捨てるのはあまりに容易です。思わず嗤ってしまった関係者も少なくないでしょう。しかし弾言しておきます。電子書籍が普及した際に、そこで笑っているのは同社を含む「かつての素人たち」であると。

Amazonも、電子機器に関してはずぶの素人でした。初代Kindleは、いかにも素人が作ったデカくてゴツくて「なにこのコレジャナイロボ」というものでした。しかも発売後5時間半で売り切れ、その後5ヶ月も在庫切れというていたらく。

そんなかっこわるさは、Kindle 2Kindle DX が出た今では微塵もありません。今では電子書籍といえば真っ先に取り上げられる、「これだ」というものに仕上がっています。

iPodで音楽を制したAppleは、逆に電子機器の玄人で音楽業界の素人でした。素人だったからこそ、これまでの「業界の慣行」に従わず、素人だったからこそ「素人でも使えるプラットフォーム」がどういう形であるかがわかったのです。

電子書籍のプラットフォームを制するのは Kindle か iPad かという議論が賑やかですが、一つ確かなのは、両プラットフォームの日本語化をただ待っているだけの賢い人々は確実にこの流れに乗り遅れるということ。いや、乗り遅れるぐらいならまだしも乗り損ねる可能性すら否定できません。電子書籍を今欲しい素人たちは、売り手も買い手も待ったなしで事を進めています。今回のディスカヴァーしかり、ここアゴラしかり

出版社どころか、個人単位で電子書籍を作って売っている人々もすでにいます。日垣隆氏は「単なるPDFファイル」を一万部以上売ったそうですし、私自身、拙著「弾言」および「決弾」をiPhoneアプリ化しております。

イノベーションを起こすのは、いつだって「明日を待てない素人」なのです。

Dan the Novice