ソフトバンクは「坂本龍馬」ではない - 池田信夫

池田 信夫

いろいろな噂や憶測の乱れ飛んだiPadのSIMロック問題ですが、結局、日本では3GモデルはソフトバンクのSIMロックつきだけが発売され、アップルからはWi-Fiモデルだけが発売されることになったようです。日本だけが「全世界でSIMロックなしで発売する」というアップルの方針の例外になったわけです。

ipad1


これ自体はアップルのビジネス上の判断だから、どうこういう筋合いはない。おそらくソフトバンクがかなり大量の販売コミットメントをしたのでしょう。SIMロックを製品が出るまで知らなかったらしいNTTドコモも、おそまつです。しかし最大の被害者は、ユーザーです。松本徹三さんは「アゴラ」でこう主張しています:

今回のSIMロック議論のベースは、「海外での高いローミングコストを回避したい」という人と、「ドコモのネットワークでiPhoneを使いたい」という人の不満が出発点になっているということです。こういう人達は、数としては比較的少なく、日本の全顧客の2-3%程度と思われます

しかしiPadをドコモで使いたいという顧客は「2-3%程度」ではないでしょう。ソフトバンクはドコモよりカバーエリアが狭くつながりにくいので、同じ端末価格と通信料金でドコモからもiPadが出たら、ドコモを選ぶユーザーのほうが多いと思われます(少なくとも私はドコモを選びます)。

「SIMロックをなくしても他の機能は互換性がない」というソフトバンクの主張は、iPadには当てはまらない。他の国ではSIMロックなしで動く設計になっており、アプリケーションはすべてソフトウェアなので、ハードウェアを替えても使えるからです。

もちろんソフトバンクの料金のほうが安ければ、競争が起こるでしょう。このように同じ土俵の上で価格やサービスを競うのが公正競争というものです。NTTについては「構造分離」や「アンバンドリング」を主張し、インフラの開放を求めるソフトバンクが、SIMロックについては強硬に垂直統合を擁護するのは変だなと思っていたら、こういうことだったわけですね。

ソフトバンクが、自社の唯一の看板商品であるiPhone/iPadを守りたいのは当然だし、私企業が既得権を主張するのも自由です。しかし、それを「天下国家のため」と称して政策論に持ち込むのは混乱のもとです。この調子では「アクセス回線会社」も、「自前でアクセス系を引く金がないからNTTのインフラにただ乗りしたいのだろう」といわれてもしょうがない。ましてそういう話を坂本龍馬にたとえるのは、龍馬に失礼です。

コメント

  1. morold より:

    もっともな意見だけど、松本さんにとっては手厳しいエントリですね。

    でも、投稿者同士で変な馴れ合いや遠慮などせず、衝突するような意見をズバリと言い切ってしまうとことがアゴラのいいところですね。言論プラットフォームを自負するだけのことはあるし、だからこそこれからも読もうと思います。今後も各投稿者がどんどん意見を戦わせてくれることを期待します。

  2. srx600_2 より:

    ここまではっきり言ってくれると実に爽快です。
    ipadがSIMロックなしで発売されるとしたら、通信品質重視ではドコモ、通信費を抑えたい人はソフトバンクと、うまく住み分けされると思いますよ。

    前回の松本徹三さんの記事の一部分ですが
    >>
    わざわざソフトバンクの端末を選んでおいて、途中で裏蓋を開けてSIMカードなるものを取り替える(その前にドコモショップに行ってドコモのSIMカードを買うという手間も必要です)等というような物好きな人が、この世にいるとはとても思えません。ですから、私は、そんなことは勿論露ほども心配していません。

    FOMAカード(ドコモSIM)を包丁で切り刻んで、iPad用のMicroSIMカードを自作した強者がいる様です。
    ttp://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100511_ipad_docomo_sim/

  3. bobby2009 より:

    グローバリゼーションが進むこの世界において、ソフトバンクのiPadに対するアプローチは稚拙すぎると言わざるを得ません。国内のロック有りと海外のロック無しの店頭価格が同じなら、「鞘」を取ろうとする平行輸入販売業者(ネットショップを含む)が現れるのは当然といえます。彼らを非難するのは資本主義の原則に外れます。

    正しいアプローチは「人為的な壁」の規制に頼らず、ソフトバンクは「鞘」が生まれないエコシステムを構築して勝負する事ではないでしょうか。

  4. daibuuepon より:

    さすが池田さんらしい、言いたいことも完結でありすっきりしたエントリーですね。
    長文を書いておきながら最終的に言いたいことがさっぱりわからない某あの方とは大違いです。

  5. pyontiti0303 より:

    強いて言うならば、iPad 3Gはソフトバンクが一定期間の利用でSIMロック解除に応じることと、同時にApple Storeにて高値だがSIMフリー版が並行販売されるようになれば、ようやく海外と同じレベル(香港以下ですが)と思いますが、どうでしょう?>bobby2009さん

    Apple Online Storeに記載のある
    「Wi-Fi+3GモデルはApple Online Storeでは販売していません。直営店のApple Storeまたは通信事業者で販売いたします。」の言葉をそのまま信じて、近い将来直営店のApple StoreにてSIMフリー版が発売されることを期待します。 それも記載された金額で(揚げ足取りです、すみません)

    私自身は競合の無い製品はロクなものが無いので、当面買うつもりは無いし、買うとしてもWi-Fiオンリーの方がまだマシです。

  6. bobby2009 より:

    pyontiti0303さん、

    強いて言うならば、ソフトバンクがSIMロック付のものを、販売奨励金をつけてかなり安くして(契約解除の抜け道は契約条項できちんと塞ぐ事)、更にApple Storeから(いまソフトバンクで販売しているのと同じ)標準的な価格のSIMロック無しを出せば、SIMロックの有りと無しを消費者が合理的に選択できるようになり、かつ、海外との「鞘」もなくなって、並行輸入業者(ネットショップ)もがっくりくるでしょうね。

    ちなみにソフトバンクがiPadのSIMロック付に販売奨励金をつけないのは、短期で契約解除され、ジェイルブレイクされて、海外へ転売される事を恐れての事かもしれません。もしそれが理由であるならば、担当部署の無能としかいいようがありませんね。なぜなら、短期で契約解除されないように抜け穴の無い契約書をつくって対応すべきだし、契約書だけで信用できないならば、販売奨励金つきの安値販売は、日本国内発行のクレジットカード販売のみに絞れば良い事です。クレジットカードの自動引き落としで契約すれば、縛り期間中の支払いを踏み倒す事は困難でしょう。

  7. bobby2009 より:

    iPadをドコモのSIMで使いたい人は、平行輸入ものを調達するか、下記のような3G/WiFiアダプタとiPad(WiFiのみ)の併用もアリかと思います。下記のHuawei E5830は私も使っていますが、なかなか便利です。これ一つで、iPadとNote PCの両方を同時にインターネットに繋げることができます。

    http://shop.isl.hk/products/detail.php?product_id=1172

  8. bobby2009 より:

    いまのソフトバンクは坂本龍馬というより、同じ土佐藩の山内容堂かな、と感じます。

    NHKドラマの坂本龍馬は「外国に侵略されない為に、外国のように強い海軍を持つ」と言い、グローバリゼーションに真正面から向き合っています。

    日本のエコシステムは「世界の理想」と自画自賛しつつ、「三位一体」の非関税障壁で外国の侵略を防ごうとしているソフトバンクは、坂本龍馬とはまったく正反対の印象を受けます。

  9. hitoshiy19 より:

    失礼ながら、理解が単純すぎると思います。
    2点松本氏とのずれを指摘します。

    1. 松本氏のボリュームの話と、池田氏の1・0(ある・なし)論。
     結局、自分はDoCoMoを使うし、他にも使う人はいるという、ある・なしの御主張と、松本氏の微々たる話というずれ。
     おそらく、松本氏は他にもっと大きい問題が電気通信業にはあり、また今のiPadは初期製品という意識が根底にあるのではないかと思います。これは100%想像ですが。

    2. ローカライゼーション・コストの負担
     日本でのAppleからの出荷価格・保証台数が、本来米国と同一とはとても思いませんが、SIMフリーの米英版と、日本版が同一ということは、ソフトバンクが上乗せ分を負担していると考えていいのではないでしょうか?
      ※ハード上もOS上も最初からマルチ対応であるにも
       関わらず、日本でのMacの価格は割高です。

     そもそも、既に多くのユーザがいるiPhoneについて、ユーザの大多数がローミングの強い希望を主張しているのか、調べられてから書かれたらいかがでしょうか?そこまで強くDoCoMo網でのiPadの利用を確信的に訴える以上、先行類似例があるわけですから。

     AT&Tの場合、Q2’06からQ2’09までの3年間(iPhone launch Q2’07、iPhone 3G launch Q2’08)で総データトラフィックが4,932%増だそうですが(source: Laptop Jan ’10)、この数値を既にブラウザ・メーラーが過度に使われ続けている日本にそのまま当てはまるとも思いません。

     これに関して、全く同一の感情論が米国でも起こっています。帯域制限をすれば、大多数の使用者は助かるというAT&Tの主張に対して、大多数の人は自分に関係ないと無関心、一部の人は大激怒、その隙間にVerizonが自社でもiPhoneの販売をすると必死にアピール。でも、Verizonは業績下降中です。

     あと、NTT(グループ)のローカルアクセスの分離と、SIMロックが同じ「垂直統合」って意味がさっぱりわかりません。

  10. whomaybe より:

    一々ご尤もなんですが一点だけ。
    「龍馬はそんなに一点の曇りもない公明正大な人だったの?」

  11. lagrangian より:

    英ニュース「Appleは全世界のユーザーに約束した、iPadはどのキャリアにもSIMロックをかけないということをもう破ってしまっている。」

  12. Qui より:

    hitoshiy19さん

    >1. 松本氏のボリュームの話

    2-3%という、何が根拠かわからない数字を出したのは松本さんであり、池田氏はその根拠が薄いと指摘しているだけです。
    ですので、まずは松本氏にその根拠を出すよう言うのが先では?

  13. nis404 より:

    hitoshiy19さん

    >ローカライゼーション・コストの負担

    設定から言語を切り替えるだけで、海外版のファームウェアでも日本語で使用出来るiphoneOS製品に特別なローカライズコストが発生するとは思えませんが…

    ご存知だとは思いますが、Apple社製品の正規ディストリビューターはソフトバンクBBです。
    なんのことはない、キャリアとして利益の出ない分を代理店として稼いでいるだけのことですよ。

    キャリアとしての採算もiPhoneユーザーの何倍もいる非iPhoneユーザーにしわ寄せすればいいだけのことです。

  14. sueki8864 より:

    ソフトバンクの電波がドコモに劣っているのは、投資を惜しんでいるのは原因でなく、総務省から認可されている電波の周波数帯域が違うことに起因しています(800MHz帯)。

    この許認可はどのくらいの天下り職員を受け入れているかに比例しており、公平な競争原理は働いていません。

    最大多数の幸福を目的に意見を公表するなら、まずこの点を第一に考え、発信していただきたいと思います。

  15. hitoshiy19 より:

    Quiさん、
    > >1. 松本氏のボリュームの話
    > 2-3%という、何が根拠かわからない数字を出したのは松本さんであり、池田氏はその
    > 根拠が薄いと指摘しているだけです。
     結局、私たちが話した所で根拠0同士なわけですが、松本氏の方をつっこまなかったのは、あの方はSBM内のなんらかの内部アンケート等を見てのことではないか「との想像」です。

     SBM加入契約者の多数の考えに対する自分の見解(想像)は、「どうでもいい」だと思います。正直、一時期程安さを感じないが、移るまでもないという、消極的な支持はないかと。(まさに自分がそうです。)
     松本氏も「皆、SBMに残りたいと望んでいる」とは全く言ってないので。

    nis404さん、
    > キャリアとしての採算もiPhoneユーザーの何倍もいる非iPhoneユーザーにしわ寄せ
    > すればいいだけのことです。
     ここの意味がわかりませんが?なんで、自分のようにApple製品が好きでない人が、費用負担をしないといけないの?キーッ

    …という話ですらないと思います。なぜなら、ブランドイメージをどう提示するかという全体の話の中で、SBMはApple製品をラインアップしたというだけでしょうから。それに対して、DoCoMoもXperiaで同様に先進性を訴求すると打ち出したと。(実使用時のXperiaのガッカリ感は別として。)
     本来、iPadだけ抜き出した話も変だと思います。

    > iphoneOS製品に特別なローカライズコスト
    > が発生するとは思えませんが…
     ここは理解が間違っています。ローカライゼーションコストは、単に本当に作業をする話ではなく、実際は日本法人(local office)の維持経費の負担も大きくあるからです。
     念のため、自分は現状のApple Japanの働きは、Macで見られる日本の割高なコストに見合わないと、かなり批判的に見ています。(昔っからそうでしたが。)

  16. bobby2009 より:

    >実際は日本法人(local office)の維持経費の負担

    この場合のローカライゼーションとは、iPadを国内の販売ルートに乗せて販売する為の「現地化費用」と定義すべきと考えます。iPad本体の日本語化は開発段階でほぼ終わっていますし、技術基準適合証明の申請も、添付のマニュアルやパッケージの日本語化もアップルで行うでしょう。

    ソフトバンク側の現地化費用としては、販売とサポートのマニュアル作成や教育費用は含まれるかもしれませんが、「法人の維持費用」を入れるのは間違いであろうと考えます。

  17. hitoshiy19 より:

    bobby2009さん、

     まず、自分で気になっている点を突っ込みますと、

    ・自分は製品群のライフサイクル全体での話をしているのに、
    ・使う言葉がローカライゼーションだと作業工数っぽくて言葉が不適当

    だとは思いました。

     あと、おっしゃりたいことはおそらく、

    ・iPad(・iPhone)は、最初から全世界版として設計されたものであって、コストは微々たるもの。
    ・また、一時的費用である。

    ということかと思いますが、Apple側の販売チャネルの維持費は、当然製品群に継続的にかかるもので、出荷先のSBMとは別にあると見るのが適切だと思います。

     ここに関して、GAPPは主要地域別のセグメント情報の開示を求めていますから、ちゃんと割っていると思います。

  18. bobby2009 より:

    ソフトバンクのiPadがガラケーのSIMロック問題とは根本的に異なる点をひとつ指摘させて頂きます。

    ソフトバンクのiPadは、非常に高い可能性でジェイルブレイク(SIMロック外し)がソフト的に可能であり、ロックを外したiPadは、(ジェイルブレイクによる多少の問題はあるにせよ)、ドコモのSIMを入れても、iPadが持つ基本的な機能を同様に使う事ができるであろう、という点です。(割安のデータ用パッケージが使えるかどうかは、また別の問題です)

    つまりiPadのSIMロックは、ガラケーの問題とは異なるという点に注意して議論すべきです。

  19. bobby2009 より:

    hitoshiy19さん、

    話を最初に戻します。「ローカライゼーション・コストの負担...SIMフリーの米英版と、日本版が同一ということは、ソフトバンクが上乗せ分を負担している」

    ローカライゼーション費用のほとんどは、ほぼ同一機能のWifi版を販売するアップル負担だと思うので、ソフトバンクの負担はほとんど無いであろうと考えます。ソフトバンクの売値が海外と同じ理由は、単に代理店としての利益を取りたいから、という事でしょう。

    もし「有る」と思われる場合は、推測の範囲で具体的な経費名をお示し下さい。

    ちなみに、SIMロックを付ける改造費用をソフトバンクが負担しているとしたら、この上乗せ分はローカライゼーション費用とはいえませんが、これをソフトバンクが負担するのは当然といえましょう。

  20. Qui より:

    hitoshiy19さん

    >SBM内のなんらかの内部アンケート等を見てのことではないか

    松本氏の文章に『日本の全顧客の2-3%程度と思われます』とあるので、内部情報を見たわけでもなく、単純な個人の主観ですね。

    なので、松本氏の主観に対して根拠が薄いという池田氏の主張にあなたがおかしいというなら、松本氏の主観に根拠を示せば済む話です。

    松本氏:
     SIMフリーにしても、DoCoMoを選ぶのは微々たるものだと思います

    池田氏:
     それは違う、私はドコモを選ぶし、他の人もそれを選ぶだろう

    松本氏が微々たるものだ、というなら、ソフトバンクは批判されないためにもSIMフリーで出せば済む話ですね。

  21. 池田さんの理論は,一般人からみると,先を見透す全知全能の神の完成された秩序だった理論に見えます。孫さんは現実の壁を試行錯誤しながらよじ登る超人の本能のイメージです。議論では池田さんの“勝ち”ですが,生き残るのは,頭だけでなくて身体も一緒になって動いている孫さんの方のような気がします。社会主義的な世界では“粛清”によって切り離してきれいに進むものが,自由な世界ではいろいろなシガラミやら個人的なエゴや好き嫌いが錯綜とした混沌の中を清濁合わせ飲み込んで進んで行くものだからです。
    まあ,ドコモはグーグルとアンドロイドでiPadに対抗すればよいのでは。その際はappleの拒否しているFlashやappleの基準に合わないで削除されたコンテンツも取り込んでいけばよいのでは。

  22. hitoshiy19 より:

    bobby2009さん、

    > ローカライゼーション費用のほとんどは、ほぼ同一機能のWifi版を販売する
    > アップル負担だと思うので、もし「有る」と思われる場合は、推測の範囲で
    > 具体的な経費名をお示し下さい。
     まず、WIFI版とケータイモジュールの組込版の(理論的な)出荷価格が同じだとは思わないんですが…。今、発展途上国向けの低価格電話のコスト試算例が35ドル程度、そのうち電池・液晶を抜いた分くらいのコスト増にはなるでしょう。そこから営業口銭まで載せると、もっと値差はあるでしょう。

     電話会社側のコストで具体的に記事になった例(おそらくFT)では、得た通信費の一部をAppleに戻すことになってるとか。
     当初、AT&Tで話題になりましたが、(推測記事)iPhoneユーザでは直接的な通信の利益はほとんどでず、最終的にAT&T以外の交渉は決裂したとか。
     それでも、依然月額料金は得る上に、当時AT&Tは(SBMほどではありませんが)Verizonに対抗して加入者増を打ち出す必要があったので、加入者獲得コストを考えると、そろばんにはあっているのかもしれません。
     SBMでも、ブランド維持の広告宣伝費が下がったならばいいわけです。

    Quiさん、
    > ソフトバンクは批判されないためにもSIMフリーで出せば済む話ですね。
     なぜ、批判されないために、SBMがわざわざあの会社の損になるようなことをしないといけないんです?
     あなたの意見より、E-MobileのWIFIポケットを推奨しちゃう松本さんの方が、よほど現実的ですね。

  23. bobby2009 より:

    hitoshiy19さん、

    >WIFI版とケータイモジュールの組込版の(理論的な)出荷価格が同じだとは思わないんですが…。

    せっかく説明頂きましたが、何か勘違いされているのではないでしょうか。「WIFI版とケータイモジュールの組込版の(理論的な)出荷価格が同じだとは思わない」との事ですが、私が述べたのは「国内のロック有りと海外のロック無しの店頭価格が同じなら」です。たとえば16Gの3G有り(同じ仕様)の内外価格差は、61800円とUSDUSD629ですからほぼ無しと言えます。

    で、私の問いは、61800円のソフトバンク価格において、「SIMフリーの米英版と、日本版が同一ということは、ソフトバンクが上乗せ分を負担していると考えていい」のならば、ソフトバンクはどんなローカライゼーション費用を自己負担しているというのでしょうか、というものです。

  24. Qui より:

    hitoshiy19さん
    『ユーザーのため』と常日頃松本氏が言っているので、ユーザーに選択肢を増やす手段を設ければよいのでは? と思うだけです。ただ、それは本題ではありません。

    戻しますが、私が言いたいのは松本氏の『2~3%』は単なる松本氏の主観ではないのですか、というそれだけのことです。
    SIMを乗り換えてまでよりよい通信環境を求める人は2~3%だ、微々たるものだ、という主張に対して、ソフトバンクは電波改善宣言をして通信環境の補填をしはじめています。

    電波改善の行動と、乗り換えユーザーは少ないという主張。それを見て、私は現実を見ているのはソフトバンクであって松本氏ではないように思う次第です。

  25. hitoshiy19 より:

    bobby2009さん、

     自分の頭の回転が悪いせいでしょうが、正直

    > ローカライゼーション費用のほとんどは、ほぼ同一機能のWifi版を販売
    > するアップル負担だと思うので、

    この意味がわかりません。さしあたり、明快にして頂いた質問ですが

    > SIMフリーの米英版と、日本版が同一ということは、ソフトバンクが上乗せ分を
    > 負担していると考えていい」のならば、ソフトバンクはどんなローカライゼー
    > ション費用を自己負担しているというのでしょうか、というものです。
     費用についてならば、FEPやフォントのライセンス・組込費用他が、日本の2モデル(日本WIFI版とSBM版)に按分され、Apple側の利益が上乗せされた上でSBM版の出荷価格として示されると思いますが。
     もし、それは(近年のWindowsのように)世界共通版に既に入っていて、日本モデル固有の話ではないということならば、普通は最も恩恵を受ける各国モデルに配分します。全言語共通のFEPでも、社内監査が通らないので、各国辞書別の項目の載った見積もりをもらい、共通の組み込み部分だけ全モデルで按分とか。
     ローカルオフィスの費用は、通常営業口銭で差をつける(工場出荷価格の後に調整する)のが普通かと。リベートの処理も同じ営業だから、とりあえず一緒に考えて。

     でも、こういう話ではないんですよね。

     それと、市場価格において、米国版とSBM版の値差がないという考察は、上の質問については関係ないということでいいですか?SBMが米国版を意識して値付けをしたかもしれませんし、Appleが乗せきれなかったかもしれませんから。

     今の状況は全く知らないとお断りしておきますが、かつてある時期の携帯電話は納入先によってかなり値段が違いましたが、加入契約者から見て、値段はほとんど一緒でしたし。

  26. bobby2009 より:

    hitoshiy19さん、

    私が香港で購入した正規版のSIMフリーiPhone 3Gsは、本体は30言語のメニュー表示と43言語のキーボード入力に対応していて、ユーザーが自由に設定を選べます。日本語の設定には、テンキー入力とローマ字入力が選択でき、FEPの出来も悪くありません。SMSの他に、MMSベースの写メールにも対応しています。これらはみな、Appleが日本で販売すると決めた時点で、自ら費用を投じて付加した機能と思われます。私の友人が購入した米国版iPadも、基本的にはほぼ同じで、日本語画面にして使用しています。故に、日本語化されたiPadのローカライズ費用は、ソフトバンクではなくAppleが支払ったのではないかと述べました。

    ところでOSのマルチ言語化は、MSよりAppleの方が歴史が長く、過去から現在までAppleの方がずっと出来が良いようです。

    iPadのにグローバル市場を持つ製品のソフト的なローカライゼーションは、開発費用に織り込み済みであり、個々の国の(ソフト的な)ローカライゼーション費用の為にAppleからキャリアへの販売価格が大きく変わる事はないであろうと思います。