日曜日の参院選は、わずかな差が増幅される地方の一人区が自民党に大きく味方した。また小さな政府をかかげるみんなの党が躍進した。その結果、当然のように民主党が惨敗した。露骨に郵政ファミリーに利権誘導をしていた国民新党はひとつも議席を獲得できなかった。政権与党の民主党は連立する少数政党の国民新党を加えても参院での過半数をキープできない。社民党を加えても同様である。このように衆参でねじれたことにより、日本の政治は法案がほとんど通らなくなるという意味で今後停滞することはほぼ確実となった。確かに日本の政治はしばらくは停止状態になるだろうが、何の議論もせずに郵政国有化法案を強行採決しようとしていた民主党と国民新党による暴走列車のような政権を、民意が止めたことの意義は大きいのではないか。日本の政治は前にも進めないが、後ろに進むよりはずいぶんとましである。
今回の選挙のポイントは「小さな政府」への支持がじわじわと増えてきていることだと思う。みんなの党があらたに10議席を獲得し、小泉首相が退任したあとに自民党内で構造改革路線が大幅に巻き戻され、冷や飯を喰らわされていた片山さつき、佐藤ゆかり、猪口邦子らの小泉チルドレンも当選した。民でできることは民にやらせ、自由市場経済で日本の活力を取り戻そうと言う、経済学的に言えば極めて標準的な考え方が広く国民に理解されはじめてきたのではないだろうか。
しかし筆者は日本の政策論争を非常に残念なものだと常に感じている。民でできることは民にやらせる。中央政府があまりに細かいことを管理するのではなく、権限を大幅に地方に移す。競争のない仕組みは必ず腐るので、規制緩和をして競争的でフェアな市場経済を促進する。このようないわばあたり前のことに関して未だに議論しているからである。資本主義か社会主義か、政府か市場か、などと言う陳腐な議論は世界ではとっくの昔に終わっているのである。本来、政府の政策担当者やアカデミックに経済を論じる人たちは「どうやったら市場はもっとうまくワークするのか」「どうやったら市場の失敗を政府が補えるのか」と言った自由市場のパフォーマンスを改善するための繊細な制度設計を議論しなければいけないのに、政府の要職にも大学の経済学部にも未だに奇妙奇天烈な非標準的な考え方を持った人たちが居座っている。だから未だに資本主義がどうのこうのと言った、実にどうでもいい話に無駄な時間と労力を使わなければいけない。
また、歴史の中で実際に実験され、これほどはっきりと実証された理論は他にないのではないだろうか。同じドイツでも西と東に別れ、長い年月の間に恐ろしいほどに社会の豊かさに差がついた。同じような遺伝的資質を持つ人々が暮らす、となりの韓国と北朝鮮を見比べてみてもそれは明らかだろう。また政府が経済や国民を管理する社会は、経済的に貧しいだけではなく、旧ソ連やカンボジアやルーマニアなどの例を持ち出すまでもなく、ほぼ例外なく政府による市民の大虐殺が行われた。また、身の回りを見ても、競争がある市場の中にあるものと、そうでないものを比べたら明らかではないか。競争的な外食産業や、衣料品、電化製品などは、我々は常により良いものをより安く提供される。コンビニエンス・ストアの24時間のサービスなども非常にありがたい。それに比べて「地域のふれあいの場としての郵便局の一層の活用を図る」などと言う政治家や官僚の言葉のいかに空疎なことか。銀行業のように政府に非常に強く規制されている業界では、未だに午後3時に窓口が閉まる。裁判所などのお役所は平日の昼間しかやっておらず、これではサラリーマンが利用するのは非常に困難だ。町の不動産屋は休日には必ず営業しているのに。こうやって回りを見渡せば「官から民へ」の意味を理解するのに、何も大昔の旧国鉄の話を思い出したりするまでもないだろう。
にもかかわらず世の中には、青い海を赤いと言う人がいて、空にある月はひとつではなくふたつだと言い出す人もいる。筆者はそういう人たちが、文学や宗教の研究をしたり、本を出版したりするのはとてもいいことだと思う。しかし日本にはそういう人たちが政府の要職に居座り、実証科学であるはずの経済学部で教授をやっていたりするのだ。
何度も言うけど、資本主義、自由市場経済と言ったものに代わる、何か別の社会システムと言うのは今までも全て失敗したし、これからも必ず失敗するのである。オルタナティブなシステムを模索するなどという無駄なことに貴重な労力を費やすのはやめよう。今回の参院選で、日本が少しはまともな方向に進みだしたこと、そしてこれからは政策議論がもっとましになることを筆者は願っている。
参考資料
セイヴィング キャピタリズム、ラグラム・ラジャン、ルイジ・ジンガレス
サルでも分かる構造改革入門、金融日記
なぜ大金持ちや大成功した人達が時に社会主義者になるのか? 金融日記
しかし筆者は日本の政策論争を非常に残念なものだと常に感じている。民でできることは民にやらせる。中央政府があまりに細かいことを管理するのではなく、権限を大幅に地方に移す。競争のない仕組みは必ず腐るので、規制緩和をして競争的でフェアな市場経済を促進する。このようないわばあたり前のことに関して未だに議論しているからである。資本主義か社会主義か、政府か市場か、などと言う陳腐な議論は世界ではとっくの昔に終わっているのである。本来、政府の政策担当者やアカデミックに経済を論じる人たちは「どうやったら市場はもっとうまくワークするのか」「どうやったら市場の失敗を政府が補えるのか」と言った自由市場のパフォーマンスを改善するための繊細な制度設計を議論しなければいけないのに、政府の要職にも大学の経済学部にも未だに奇妙奇天烈な非標準的な考え方を持った人たちが居座っている。だから未だに資本主義がどうのこうのと言った、実にどうでもいい話に無駄な時間と労力を使わなければいけない。
また、歴史の中で実際に実験され、これほどはっきりと実証された理論は他にないのではないだろうか。同じドイツでも西と東に別れ、長い年月の間に恐ろしいほどに社会の豊かさに差がついた。同じような遺伝的資質を持つ人々が暮らす、となりの韓国と北朝鮮を見比べてみてもそれは明らかだろう。また政府が経済や国民を管理する社会は、経済的に貧しいだけではなく、旧ソ連やカンボジアやルーマニアなどの例を持ち出すまでもなく、ほぼ例外なく政府による市民の大虐殺が行われた。また、身の回りを見ても、競争がある市場の中にあるものと、そうでないものを比べたら明らかではないか。競争的な外食産業や、衣料品、電化製品などは、我々は常により良いものをより安く提供される。コンビニエンス・ストアの24時間のサービスなども非常にありがたい。それに比べて「地域のふれあいの場としての郵便局の一層の活用を図る」などと言う政治家や官僚の言葉のいかに空疎なことか。銀行業のように政府に非常に強く規制されている業界では、未だに午後3時に窓口が閉まる。裁判所などのお役所は平日の昼間しかやっておらず、これではサラリーマンが利用するのは非常に困難だ。町の不動産屋は休日には必ず営業しているのに。こうやって回りを見渡せば「官から民へ」の意味を理解するのに、何も大昔の旧国鉄の話を思い出したりするまでもないだろう。
にもかかわらず世の中には、青い海を赤いと言う人がいて、空にある月はひとつではなくふたつだと言い出す人もいる。筆者はそういう人たちが、文学や宗教の研究をしたり、本を出版したりするのはとてもいいことだと思う。しかし日本にはそういう人たちが政府の要職に居座り、実証科学であるはずの経済学部で教授をやっていたりするのだ。
何度も言うけど、資本主義、自由市場経済と言ったものに代わる、何か別の社会システムと言うのは今までも全て失敗したし、これからも必ず失敗するのである。オルタナティブなシステムを模索するなどという無駄なことに貴重な労力を費やすのはやめよう。今回の参院選で、日本が少しはまともな方向に進みだしたこと、そしてこれからは政策議論がもっとましになることを筆者は願っている。
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票数では民主党の方が上ですが、一人区で上手いこと自民党が躍進して、数の上では一番当選しました。
そのどちらも支持できない人が仕方なくみんなの党に入れたという勝手な想像をしています。
しかしながらみんなの党も金融政策は疑問が残ります。
小さな政府を望む人の他に、お札刷って楽して良くなろうとする人もみんなの党に票を入れたことでしょう。
渡辺さんはブレない人なので、そこのあたりが心配です。