相撲はテレビ中継に頼るな - 原淳二郎

2010年07月20日 17:45

野球賭博で揺れる大相撲名古屋場所。7日目で初めて満員御礼の垂れ幕が出た。NHKは生中継を中止しているのだから、本場所に足を運ぶ観客が増えてもいいはずだ。しかし観客は大幅減である。ファンは大相撲にお灸をすえるつもりなのだろうか。不祥事続きの大相撲に嫌気がさしたのだろうか。


懸賞金も激減している。呼び出しの背中から広告の商品名も消えた。自粛、自粛の横並びである。長かった不況からようやく消費の回復が見えた時期だから、宣伝広告に打って出る好機とも思えるのだが、不祥事続きの大相撲に広告で協力すのはいかがなものか、という消費者の反感を買うリスクを考えてのことだろうか。なんとも自粛好きな国民である。

テレビの生中継が中止されたのだから、懸賞を出しても広告効果はないと考えたのだろうか。だとすれば公共放送のNHKを利用して広告効果をあげようとする魂胆が卑しい。NHK生中継の広告効果が測定できるなら、NHKは広告協賛金を取り、受信料の足しにすべきではないのか。たまたま生中継を中止している名古屋場所はそれらを測定するチャンスではないか。

個人的には大相撲の生中継を毎場所楽しみにしているが、なければないで痛痒を感じないのは私一人だけではないだろう。NHKは結びの一番が終わって30分後の午後6時半から録画中継をしている。ハラハラどきどき感はないが、録画中継の方が短時間で全取り組みが見られるから、かえって見ごたえがある。つまらない解説がないのもいい。

相撲は立会いまで仕切り直しが何回かあって相撲取りはその間に闘争心を高めていく。その間がいいのだという人もいる。昔は制限時間前に両者の気合が合って立つ相撲があった。見合う時間は両者の闘争心を測る時間でもあった。いまその緊張感が見合いの中でほとんど見られない。いつ立つか分からない緊張感があればこその生中継である。

暴力団関係者が砂かぶりで観戦していたそうだが、テレビカメラに映ることを考えて砂かぶりに陣取っていたという説を聞いた。だとすれば生中継中止は暴力団排除につながる。名古屋場所に限らず、今後1年間くらいは生中継を止め、上に記した問題の測定をしてみてはどうか。そもそもテレビ中継がない時代から、大相撲は何百年も続いてきたのだから、テレビ中継に頼る必要は何もない。

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