なぜカジノ特区に反対なのか理由がわからない

2010年11月01日 13:01

東京の石原都知事、大阪の橋下知事は、カジノ特区に積極的です。国民新党の亀井さんも沖縄をカジノ特区にして経済の活性化をはかるという構想を掲げられていました。
しかし、このカジノ特区はなかなか進んでいません。国会議員のなかにもカジノ特区の推進に熱心な人もおり、議員連もできているようですが、反対だという人も多いからでしょう。しかし、ほんとうにカジノで成功するかどうかの議論ならまだ理解できるのですが、カジノ特区に反対する理由がよくわからないのです。


弁護士であり、元衆議院議員の早川忠孝さんがブログに東京や大阪のカジノに反対だということを書かれていました。

大阪カジノ都市構想にも東京カジノ都市構想にも反対だが

反対理由の第一は、暴力団の資金源になるという懸念です。とくに大阪は「関西暴力団を考えてしまう」そうです。関西人としては偏見も甚だしいと感じますが、しかし、暴力団は、非合法だから関与する余地がでてくるわけで、合法化し、公営管理で運営すれば、暴力団が関与することは難しいはずです。
規制がかえって、暴力団のビジネスチャンスを生むかは、闇金がそのことを物語っています。いわゆるサラ金を規制したために暴力団とつながる闇金が跋扈するようになりました。

第二の理由は、カジノ特区を認めることは、ギャンブルの規制を緩和することになり、それだけギャンブルで人生を失敗する人が増えるということのようです。

しかし、日本はすでに巨大なギャンブル公認国家だと言っても過言ではありません。なにをいまさらという感があります。

公営ギャンブルといえば、最大規模は、競馬ですが、JRAで賭けられている規模は、現在およそ2兆5千億円の規模です。競輪や競艇はそれぞれ1兆円程度で、宝くじの売上がおよそ1兆4千億円なので、公営ギャンブルは6兆円規模を持っています。

もっと大きい市場規模をかかえているのはパチンコ産業です。大手のマルハンの売上は一社で年間2兆1千億円を超えています。ダイナムは売上が下がってきていますが、直近の決算では売上は、およそ8千6百億円。この二社だけも3兆円近くになり、業界全体では21兆円規模があるといわれています。そうだとすると、公営ギャンブルとあわせて、30兆円弱であり、ギャンブル市場は、自動車産業の40兆円にも迫る巨大な産業です。

しかも警視庁のデータでは全国にパチンコ店が1万3千あり、これほど、ギャンブル施設が全国津々浦々に、地域の隅々にまで広がっている国はあるのだろうかと思ってしまいます。
ちなみに、ウィキペディアによると、パチンコは米国ではカジノとして規制を受けており。台湾も韓国も現在は禁止されているようです。

パチンコをもっと規制しろとは思いませんが、カジノも東京や大阪ではなく、もっと隔離できる辺鄙な場所ならいいと早川さんは書いておられますが、規模や遊戯人口、施設の数や近隣に立地していることによる影響を考えると、ギャンブルで人生に失敗する人を効果的に減らしたいのなら、まずは、パチンコを規制すべきという理屈になります。

それよりも本当に議論しなければならないのは、どんなコンセプトをもった施設や運営主体、また運営方法であれば、国内外からの観光客を誘致できるのか、また収益をあげることができるのか中味の構想や計画のほうでしょう。

現実は、国内のギャンブル市場は縮小してきているのです。パチンコ産業も、ギャンブル性の高い遊戯機に規制が入り、さらに貸金の総量規制の影響を受けて、遊技人口も市場規模も減ってきているようです。
地方に車で出かけると、道路沿いに閉鎖されたパチンコ施設に必ず遭遇します。しかも、淘汰の波のなかで、大資本の企業の寡占化が進んでいるように感じます。
マルハンは伸び、ダイナムが売上を落としているところを見てもその傾向がうかがえます。競馬も、競馬人口はさほど減っていないにもかかわらず、馬券を買う金額はどんどん減ってきています。
売得金・入場人員(PDF資料)

そういった厳しい状況のなかで、突然カジノができたからといって、うまく成功するとは限りません。

しかし状況が厳しいからこそ、たとえ東京や大阪、あるいは沖縄の特区で、数カ所できる程度とはいえ、既存のギャンブル産業の側からは顧客が奪われるのではないかという警戒心がでてくることは無理もないことで、他の公営ギャンブルやパチンコ業界保護のために反対だというのなら筋が通ります。しかし現実は顧客も異なるでしょうし、直接競合するようには感じられません。

どの程度の経済効果があるかは、施設内容や運営の質によって左右されると思いますが、
日本は、海外からきた旅行者の人たちからは極めて高い満足度が得られており、観光地としての内容は世界のトップクラスですが、まだ行きたい国や都市というところでは、それに比べると低く、いろいろ観光の魅力づくりにチャレンジすることが望まれます。

カジノ特区が、海外からの観光客の吸引や経済活性化の切り口のひとつになるのなら、まずは数カ所で競いあって「やってみなはれ」ではないでしょうか。

コア・コンセプト研究所
大西 宏

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大西 宏
株式会社ビジネスラボ代表

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