「光の道」ってなーに? - 杉本勝男

2010年11月26日 13:28

最近、ソフトバンクの孫正義社長などの唱える、光の道構想についての議論がここアゴラでも盛んですが、国民のほとんどは光の道構想が一体何なのか、ほとんど分かってないと思います。そもそも光の道という言葉自体聞いたこともない人も多いでしょう。正直、僕自身もつい最近まで光の道が何なのかさっぱり分かりませんでした。でも、あの池田信夫先生が何度も言及し、孫社長が日本の未来にとってとても重要な問題だというので、僕たちのような一般国民も大体でもいいから理解しておくべきなんだろうと思います。


そこで今日は、そんな僕みたいな「光の道ってなに?」っていう方のために、光の道構想について大枠を簡単に説明してみたいと思います。

まず、ソフトバンクの唱える光の道構想を一言で言うと、2016年までにメタル(電話)回線を全部ひっぺがして光回線を敷き、日本全国を月々料金1150円という低価格で超高速光ブロードバンドを税金ゼロで実現させるというものです。

でも、普通にネットをするだけなら、今までのADSLやWiMAXのような無線で十分なのに、どうして孫社長がこの光の道にこだわるかというと、これから先情報量が増大し、今の通信インフラのままではこれをまかないきれないと予測するからです。iPhoneやiPadなどのモバイル端末の普及でパケット通信量は増え、ソフトバンクの3G回線ではこころもとなくなってきています。これはソフトバンクの電波が悪いからということではなく、将来の情報量の増大を考えれば電波の良いドコモやauでも同じでしょう。過去5年間を見ても僕たちのIT環境は劇的に変わりました。特にモバイル端末の進歩は凄まじく、たった3年前にはiPhoneすらなく、また初代iPhoneと今のiPhone4を比べてもその性能には雲泥の差があります。これからモバイルインターネットが進むのは間違いなく、それによる情報量の増大は相当なものでしょう。また、ソフトバンクは電子カルテや電子教科書構想も提言しており、この構想の実現のためにも光の道が必要なのです。

さて、では次にどうやって光の道を実現させるかが問題です。しかも、日本全国をたった5年間で、低価格で、税金ゼロで。

実は光回線インフラの整備率は90%以上なのですが、実際に光ブロードバンドサービスを契約しているのは30%ほどしかいません。ほとんどの人は光より安いADSLで十分なので、光が全然普及しないわけです。つまり、光回線とメタル回線の二回線がダブついている状態なのです。これは明らかに無駄なので、だったらメタル回線は全部ひっぺがして光回線に一本化しようよってことです。ネットが高速になって、しかも安くなるんだから反対する人は誰もいないでしょ?一気に効率よくやればコストも安く、早く光の道が実現出来るし、そのための費用も我々ソフトバンクが持つよ、というのがソフトバンクの主張です。

しかし、これを実現させるためにはNTT法という大人の事情が立ちはだかってきます。光回線インフラはNTTが持っており、光の道実現のためには、このインフラを出来るだけ安く、自由に使いたいのです。そこで、ソフトバンクはNTTのインフラ部門をNTT本体から切り離して分社化し、国やソフトバンクやNTTを含めた皆で出資して、インフラを皆で有効に使おうと提案しました。これに対して、光の道反対派は、ソフトバンクはNTTのインフラにタダ乗りしたいだけじゃないか!とか、そもそもたった5年で実現しようなんて不可能とか、この料金設定では利益は出ないとか、などという批判が出ています。
これが光の道議論の大枠です。

さて、僕個人としては、日本全国隅々まで光回線を敷くのは投資効率が悪くてどうなの?とも思いますが、基本的には孫社長の光の道構想には賛成です。

しかし、この議論で違和感を覚えるのは、普通、民間の会社が事業を行う場合、このように事業の是非を議論することはありません。事業が成功すれば儲かるし、失敗すれば潰れるだけだからです。きっとNTT法がなければ、議論にもならなかったのではないでしょうか。

なので僕は訳の分からないNTT法なんて廃止して、国が持っているNTT株を全て売却し、池田信夫先生が言うように、NTTをソフトバンクが自由に買収出来るように、規制を緩和してシンプルに自由競争させるべきだと思います。
杉本勝男 名古屋工業大学 学生 twitter:katsuo46

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