膨らむ政府債務、金利低下ボーナスの終焉か

2011年01月18日 08:00

少子高齢化の進展に伴い膨張する社会保障予算の財源不足によって、日本政府の債務は急増している。実際、23年度末の国の公債残高は668兆円、国と地方の長期債務残高は891兆円(対GDPで184%)に達する見込みだ。


通常、債務が膨らめばその利払いも増加する。しかしながら、政府債務の利払費は、これまでそうでなかった。むしろ、利払費は低下してきた。

「利払費=債務×金利」であるから、この理由は、債務の膨張よりも金利低下の効果の方が上回っていたからである。つまり、「金利低下ボーナス」であり、極めて単純な構図である。この様子は、国が抱える公債残高・金利・利払費に関する以下の図から確認できる。

金利低下ボーナス終焉

平成元年度から平成18年度にかけて、公債残高は161兆円から532兆円まで370兆円も増加しているが、金利は6.2%から1.4%まで大幅に低下している。この結果、利払費は10.6兆円から7兆円にまで3.6兆円も減少している。

しかしながら、平成19年度以降、この構図は変化しつつある。実際、図でも確認できるように、平成17年度以降、金利は横ばいになりつつある。そして、平成19年度以降、利払費は上昇に転じ、平成23年度は10兆円に迫る勢いである。つまり、もはや「金利低下ボーナス」は終焉しつつある。いままでが「幸運」だったに過ぎない。

このため、これからは、政府債務の増加に応じて、利払費は徐々に増加していく現実をはっきりと認識する必要がある。

だが、現状は厳しい。「「日本財政」の異常事態はいつまで続くのか?」で、いまや170兆円にも及ぶ国債発行に陥りつつある日本財政の状況について説明したように、国債発行は平成9年には50兆円であったが、平成13年には100兆円を突破し、毎年増加の一途を辿っており、もはや借金で借金を賄う「自転車操業」に陥っている。

そして、最も恐ろしいのは、金利が上昇しはじめる瞬間であろう。その場合、金利低下ボーナスの逆、つまり「金利上昇オーナス」の波が日本財政を直撃することは間違いない。金利低下ボーナスが終焉した今、将来世代の利益も視野に社会保障財源をどう賄い、急増する債務をどう抑制するのか、私たち国民は問われている。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑