就活で学生は成長するのか?

2011年01月22日 17:21

 就職活動をしている学生の中には何かと「成長」という言葉を使う人が多く見られます。そして、就職活動を始めた時と比べて、内定を得た学生は何か一皮むけたような感覚を持つでしょう。また、キャリアコンサルタントの多くが「就活を通して成長すること」を声高に叫びます。

 しかし本当に就活を通して、人は成長するのでしょうか?


 確かに就活を始めたばかりの学生と内定を取って就活を終えた学生では、違いがあり、私も成長はしているなと感じます。例えばSPIでどの程度の正答率なら、どういう企業に通るかというのも最初はわかりませんが、徐々に肌感覚でわかってきます。また、面接でどういうことを言った時に、どういう反応が返ってくるかも、長く面接を続けていけば、徐々にわかってくるものです。

 このように、多くの学生は就活を始めた頃よりも、多くのSPIを解けるようになりますし、面接でも受け答えがスムーズになって行きます。それを成長と言えば確かに成長と言えるでしょう。しかし、企業が本当に求めている成長というのはこういった成長なのでしょうか?つまり、企業はSPIの試験をより多く回答出来たり、面接の受け答えのうまい学生を求めているのでしょうか?

 実際に内定を取った学生たちが4月からそれぞれ配属され、即戦力になるかと言えば、そんなことはほぼありません。最初は同行営業や新人研修など、特別な教育が施されます。ということは、就職活動を通して成長した学生は、内定を得ることができたとしても、それはビジネスの世界では役に立たないレベルの成長である、ということになるのではないでしょうか。

 現在の就職活動のシステムではそう言った新人社員を必然的に量産することになってしまいます。面接がうまい、SPIは点数が高い、でも実際の実務にはまだまだ役に立たない…そんな人材を供給するシステムが現在の新卒採用の就活システムです。これは明らかに学生も企業も損をしているシステムではないでしょうか。

 そこで私は、インターンシップやアルバイトから就職するという方法をメインにして行くべきかと思っています。アルファブロガーの切り込み隊長氏もおっしゃっているように、特に中小企業・ベンチャー企業は学生のインターンシップやアルバイトから採用する方が、学生・企業ともにプラスになるんではないかと思います。インターンシップやアルバイトの現場で1年働いた人材は、実務をこなす能力・経験ともに成長をしていますし、即戦力になります。

 ただ、問題点もあります。大企業はインターンシップやアルバイトを受け入れる体制が整っていません。加えて学生にインターンシップと聞いた場合、半年や1年間という長期のインターンシップを想像する人はいません。1日インターンや3日等の短期インターンシップが幅を利かせているからです。短期のインターンシップでは能力や経験の蓄積に役立ちません。長期のインターン・アルバイトが必要なのです。

 最後に、私個人の経験出恐縮ですが、私は大学3年生の10月から卒業した5月まで1年半ほど就職活動をしていました。しかし、本当に成長したと実感できたのは商社で現場に1人、放り出されてからでした。1年半もの間就職活動をしていた私と、1年間商社営業の現場に放り出された私では、明らかに後者の方が成長した、と自信を持って言えるのです。

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松本 孝行
セカンドチャンス 代表

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