「参議院の廃止」

2011年02月08日 20:05

刺激的なタイトルを付けてしまった。しかし、最近、二院制の弊害が目立ってきてはいないだろうか。

このたび開会された通常国会で、野党は予算関連法案を否決する方針だ。当然、野党が多数を占める「ねじれ国会」の下、参議院でこれら法案が通ることはない。衆議院で与党は3分の2の議席を占めていないため、再可決も出来ない。行き詰まりは必至だ。

民主党は以前、自公政権をガソリン税の暫定税率切れに追い込んだ経緯もあり「自業自得」という声もあるが、今回、予算関連法案が否決された場合の影響はそのときの比ではないだろう。


何せ、歳入の約4割を占める赤字国債の発行が出来ないのだ。赤字国債とは「特例国債」と呼ばれることからも分かるように、赤字国債の発行は財政法に違反しているため、毎年度、‘特例’で「公債特例法」を成立させる必要がある。これが成立しないと、来年度に発行する予定の38.2兆円の赤字国債が発行出来ない。

この法案が成立しない影響の大きさを“センセイ”方はご理解されているのか。「6月末か7月末に国のお金が尽きてしまう」とも言われている。この法案を否決し、政争の具とするつもりか。国民生活を人質に取った戦術が許されるのか。国民生活に多大な影響が出るだけでなく、市場も荒れるだろう。

そもそも参議院の存在価値とは何だろうか。二度同じ法案を審議するため、慎重な議論が出来る、衆議院の暴走を防ぐ、というメリットは確かにあるだろう。世界でも二院制を採用している国は多い。

しかし、二院制を採用している国のほとんどは、‘アメリカのように連邦制を採っている国が各州の代表を送り込むなど、もう一方の議院とは異なった制度で議員を選出して構成する’、あるいは‘イギリスの貴族院のように選挙を経ずに世襲貴族や一代議員などから構成され、この場合には選挙を経たもう一方の議院により多くの権限を与えている’といったようなケースが普通だ。

ここまで選挙制度や権限が似通い、両院とも同様の選挙を通じて運営されている国も少ない。イタリアが比較的近いが、イタリアも首相が頻繁に変わるなど、良い政権運営が出来ているとは言い難い。

日本の場合、衆議院の多数派が内閣を組織して運営する仕組みで、首相指名、予算、条約などについては、日本国憲法で衆議院の優越が規定されている。しかし、そのほかの権限に大きな差はない。参議院選挙で負けて責任を取って交代を余儀なくされた政権も多く、また先日も官房長官、大臣の問責決議案が参議院で可決され、民主党政権は内閣改造を余儀なくされ、政治の停滞を招いた。

本来、参議院議員の任期は6年と、衆議院の4年より長く解散もない。いつ職を失うか分からない衆議院と比べて、本来はじっくり日本の将来に向けた改革案を練られるはずだ。しかし、実体はそうはなっていない。最近は、参議院のメリットを感じることは少なく、デメリットばかりが目立つ。

今回の予算関連法案も、ことの重要性を分からず、与野党が歩み寄りを見せることなく、政争の舞台装置となるだけなのであれば、本来の意義を失った参議院など要らない。一院制で何ら問題もなく政治を運営している国も多いのだ。

これは、最近の政治の体たらくに憤りを感じるただの若者の暴論なのだろうか。

しかし、少なくとも、現在の二院制の見直しは必要なはずだ。今の参議院は権限が強すぎる。「選挙をなくす代わりに、法案の修正は出来るが阻止は出来ない」など、権限を縮小する必要があるだろう。そもそも選挙も多すぎる。衆議院、参議院と次々と選挙がやってくるため、ポピュリズムに走らざるを得ず、バラマキ政治も続く。“センセイ”方もじっくりと腰を据えた議論など出来やしないだろう。

いよいよ日本も終わったか。与党と野党のチキンレースの様相を呈してきた。政治のレベルが極端に落ちてしまった。

ただし、これは、国民のレベルが落ちていることと同義だ。出来損ないの“センセイ”方を選んだのは我々国民だ。人のせいだけにすることなく、一人一人がここに至った原因を胸に手を当てて考えてみる必要がある。

私のブログ  Twitter@etsuyoshi

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