国を守るという意味(続編)

2011年02月22日 08:00

昨日の私の記事に対して、池田さんからもう「平和ボケ」から覚めようという反論を頂き、そのコメント欄にて、下記のご指摘を頂きました。

「日米同盟を強化すべきだ」という話と「中国が攻めてきたら戦わないで降伏すればいい」という話が、論理的にどう両立するのか、まったく理解できない。戦う必要がないのなら、日米同盟も自衛隊も必要ないでしょう。

このネタでの投稿はもう止めるつもりでしたが、上記の指摘に対する説明をさせて頂く機会をもう一度だけお許し頂き、続きのネタで投稿させて頂きたいと思います。これでもう終わりです。


まずは下記の図をご覧下さい。(軍事の専門知識を持つ方で、下記の図に適正な数値を入れて頂ける方がおりましたらぜひお願いします。)

軍事力比較曲線

1)現在はAがBより十分に大きく、日米同盟を強化して中国を抑制する事は合理的です。

2)xの時点でAとBの差が縮小すると、日米同盟の効果は小さくなり、日本は中国の圧力に対して危険な状態となります。

3)y以降はAとBの軍事力が逆転し、日米同盟は無意味となり、中国が攻めてきたら日本は戦わないで降伏する事が経済的に合理的な判断とされ得る状況になると考えます。

池田さんは「論理的にどう両立するのか」と指摘されましたが、回答としては、両立するのではなく、上記1の条件では日米同盟を強化するのが合理的、3の条件では戦わずに降伏する事が合理的、という事です。

では、上記3の状況になる可能性はあるでしょうか。

米国は東西冷戦以降、一貫して軍事費と軍事力の削減を続けており、極東へ展開できる戦力も年々減少していると考えられます。またアフガンとイラク戦争の失敗で、世界の警察でいる事に疲弊しており、中国に対して軍事力(軍事費)の大幅増強で対抗するというのは考え難い。

日本はバブル崩壊後の経済低迷と1000兆円に迫る政府債務(今後益々増大)の問題を抱え、中国の軍備拡大に付き合う余裕があるとは思えません。

中国は高度成長期の最中にあって軍備増強に邁進しています。「 Anti-access / area-denial strategy(接近阻止・領域拒否 戦略)」により原子力潜水艦や空母(建造中)、ステルス戦闘機(開発中)、陸上から空母を狙う「対艦弾道ミサイル(Anti-Ship Ballistic Missile:ASBM)」などの軍事力の近代化と増強を行い続けています。この戦略の特徴は、米軍の空母を中国の防衛ラインへ近づけない事です。その防衛ラインを、日本列島と台湾をラインへ押し広げるのが中国の当面の目標です。ところでASBMに核弾頭を積む事ができれば、米空母は日本周辺へ接近できません。空母が来なければ航空優勢を得られず、他の軍艦は空爆されるのでやはり日本へ接近できません。すると日本周辺へ投入できる米軍の軍事力は著しく減少します。つまり上記3の状態は、米軍の軍備縮小だけでなく、中国軍の技術革新によって自力で一気に到達する事も可能だという事になります。

結論は、上記3の状態が来ないと決め付けられる適切な理由は無く、Politically Incorrectである事は承知の上で、「戦わずに中国に降伏するのはどういう事か」というのも議論の対象になるべきではないだろうかと考えた次第です。

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