カンニングは良くないことだが・・・

2011年03月01日 17:31

あちこちの大学入試で、試験時間中に問題がヤフー知恵袋掲示板に投稿される事件が起きた。第三者から解答が掲載されていた。だれがどのようにして漏らしたのか、犯人の受験生はそれで点数を稼げたのか。試験会場ではブラインドタッチで入力したのか、写真にとって転送し、協力者が代理で入力、掲載したのか、監督教官はなぜ発見できなかったのか、解明されるべき事柄は多く、ミステリー小説みたいだ。


大学側は試験会場へのケータイ持ち込みを規制しているはずなのに、なぜ発見できなかったのか。規制するとしたら、空港みたいなボディータッチまで許されるのか。

第三者の解答をそのまま入試解答欄に転記していたら犯人は自分だといっているようなものだから、脚色はしているはず。その脚色を採点官は見破れるのかどうか。推理は推理を呼ぶ。

私が講義する大学も期末試験には通信機能つきの端末を試験会場に持ち込むことを禁止している。見つかれば不正行為として処分される。ITをうまく 使って社会に貢献することを推奨しているのに、おかしなことをいうものだとかねて感じていた。私が期末試験をするならPCもケータイも持ち込み自由にするが、大学の方針に反するのでいままで期末試験はしたことがない。ジャーナリストは締め切り時間を常に抱えている。短時間では理解しにくい問題、うまく解説できない問題に毎日のように出くわす。その時、適切な説明をしてくれる人をどれだけたくさん知っているか、が記事の品質の分かれ道になる。日ごろの勉強、ネット検索の技術を磨くことも大事だが、いざという時の瞬発力が求められる。ITをうまく利用して問題に即答することも社会に出たら重要である。

試験会場に何でも持ち込み可とすると問題の出し方に工夫がいる。短時間で分厚い報告書を読み、どこがニュースかを見つけ、要約して記事を書くのと 同じような問題にしたらどうか。あるいは教室に入る直前に見た風景で季節を感じるものを記述せよ、という問題でもいい。そんな話を教室でしたこと がある。多くの学生はPCやケータイ持ち込み可にしたら不正行為を誘発すると反対だったが、そういう試験の方法もあるのかもしれない、と納得した。

今回漏れた入試問題はいずれも単行の問題だった。容易に転送、掲示することができた。もし長文の問題だったら不正は可能だったのかどうか。試験時間がもっと短かったら。犯人は掲示板にむやみに問題を投稿しているわけではなく、掲示しやすい問題を適切に選んでいる。第三者の解答が正解だったのかどうかは知らないが、犯人はどうやって確認したのだろうか。数式のネット上での表記も知っていた。そういうことをすべて弁えて難関の入試を乗り越えようとする努力はある意味で異才である。問題解決の早道は、知っている人に質問する。それができる学生は案外少ない。願わくば犯人が今後社会の役に立つ方向でその異才を放つことを期待する。

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