大学へ多様すぎる入学手段で正当性が保てるのか

2011年03月02日 23:28

大学の定員割れだけに限らず学生数の確保から、ここ10年ほどで大学への入学方法が極めて多岐にわたるようになり、かつての受験競争のように「ペーパーテスト一発勝負」ではなく、私立有名大学でも下記のように極めて多岐にわたる方法となっています。


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こうした方法のメリットは
(1)受験生が減少し、大学側も通常の入学試験だけでは受験生の数・質などが以前ほど読めなくなっているため、早い段階で一定のクオリティに達している学生を確保できる。
(2)一芸入試で芸能人などを入学させると受験者数の増加することだけに限らず、OB/OGで有名になり、大学のイメージアップと宣伝効果が期待できる。
(3)すでに定員割れになっている大学も少なくないため、事前の推薦などによって定員確保や授業料などの見込が立てやすい。
(4)推薦入学を増やし一般入試枠を減らすことで相対的な競争率が高まり、偏差値が高い状態をキープできる。
(5)受験生の側も、負担が軽くなる。

などといった面があります。逆にデメリットとして

(1)大学生の学力低下の一因に。
(2)同じ大学に一般入試で入試入学した学生と、隔たりが生じる。
(3)特に付属校からの進学組が多い場合には、校風・ネットワークの違いなどから壁が生じやすい。
(4)特に推薦入学の場合には、高校からの調査票がベースとなるため、内容や基準などが出身高校によってばらつきが大きい。
(5)付属校による進学や編入学は、学校の方針によって「最低限の学力で大学に上げる」か「ある程度厳しく選別するか」で分かれてしまい、実質的な「抜け道」になっている。
(6)特に早慶クラスになると、大学入試を避けた付属高校以下に早い段階から受験することによって受験戦争から逃れられるため、前段階で競争が激化してしまう。

などといった面が挙げられます。また推薦やAO入試などがいわゆる早慶レベルまで入り込んできていますので、「分母が減って依然として厳しい一般入試」と、「よく分からない基準のまま、大学に行ける推薦や内部進学」の二極化が進んでいると言えるでしょう。

こうした矛盾は、就職の際に企業の側でフィルタリングを行う場合、「付属からなので、少しマイナス」と実質的に補正していますが、あまり論理的な正当性がないことは確かです。

本来ですと世界的な傾向でもある「入学は易しく卒業が難しい」のが望ましいですが、入試の段階で変えることが出来るのは、多面的な試験方法で本当の実力を問うことでもあります。今までの試験方式は「いかに効率的に選別にかけるか」の一点でしたが、多面的な角度から選択・必須を取り入れていくことが欠かせないでしょう。
主な例として、(1)マークシートによる選択(2)通常の試験問題(3)小論文(4)口頭試問のほか、(5)試験は朝から夕方までかけ、パソコンや資料持込み可として、課題に対する解決能力を問う方法で、そもそも(3)以降の選考のようにそもそも他人から聞いても意味のない方式にしていくことも一策です。

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