日本人はすばらしい?

2011年03月13日 17:53

今回の地震の規模に比べて被害が小さく、人々が整然と行動したことを海外のメディアが「日本人はすばらしい」と賞賛し、それを日本人が引用するのが目立ちます。同様の話は阪神大震災のときも見られ、ある種のステレオタイプでしょう。


もちろんハイチの地震で暴動が起こったことなどに比べれば、日本人の協力的な行動は見事なものですが、他方では過剰な自粛が見られ、テレビやラジオの番組はどのチャンネルも1日中おなじような災害報道で埋まっています。私がツイッターで皮肉をいうと「非常時に政府を批判するのは不謹慎だ」といったコメントがたくさん来て驚きます。

きわめつけは佐藤優氏の「福島原発に関する報道協定を結べ」という記事でしょう。彼は政府が記者クラブと談合して報道管制を敷けという。これ以外にも「翼賛体制の確立を」とか「大和魂で菅直人首相を支えよ」といった記事を連投しており、ファシストの本性を現したというところでしょう。

日本人は石油危機や円高のように外側に敵のある「国難」には強く、驚異的な復元力を発揮します。しかしこのような画一主義が、かつては戦争の道につながり、90年代以降のように敵の見えない時代には問題解決を遅らせてきたことを忘れてはならない。今回も民主党政権は、地震に便乗して補正予算を組み、どさくさまぎれに本予算も通してしまおうという話になっているようですが、にわかづくりの「翼賛体制」は興奮がさめたら壊れてしまいます。

情報管理の面でも、福島第一原発の原子炉建屋の爆発を5時間も隠し、保安院が記者会見で「どの建屋かわからない」などと嘘をつく神経は、民主主義国家の政府とは思えない。このような嘘がばれると、本当に危ないとき国民は政府を信用しなくなります。原発事故の処理が終わったら「非常時」モードはやめ、自然体で震災復興に取り組むべきです。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑