不謹慎・自粛ムードに関する反論 - 松本孝行

2011年03月13日 22:58

 3月11日に起こった東北を中心とした東日本を巻き込む地震は、大変な規模になりました。被災地の皆さんのご無事を遠く兵庫県の伊丹市からお祈り申し上げます.

 この地震があってからというもの、Twitterを始めとしたウェブ上では自粛・不謹慎ムードが大変大きくなっています。しかしながら私は、この自粛・不謹慎ムードに明確に反対したいと思います。


 私も個人的にイベントの告知をbotでツイートしてたのですが、それに対して不謹慎だと言われました。不謹慎という言葉の後ろには当然「不謹慎だから発言を自粛しろ」という意味合いがあります。こういった不謹慎だから発言を自粛しろ、という空気が蔓延すると、Twitter上で自由に発言が出来なくなる可能性があります。

 私のイベント告知以外にも、江川紹子さんはいつも語尾に「にゃ」という言葉をつけて、猫語でツイートすることが多いのですが、それすらも不謹慎だからやめてくれという風に言われていました。他にも、芸人のほっしゃんさんが散歩をしたとつぶやいたことに対して、今は非常時なんだからそういうつぶやきをやめろと言われていました。この辺も私のブログにまとめていますので、ご参照を。また、私の周りでも、お腹いっぱいご飯を食べたという内容のmixi日記に「食べられない人がまだいるのに不謹慎だ」というコメントを貰ったと言っていました。

 こういう風に何から何まですべての発言を不謹慎だ・自粛しろという風に言うのはなぜなのでしょうか?理由はわかりませんが、彼らの言い分をまとめていけば「イベントは自粛しろ」「変な話し方をやめろ」「散歩をするな」「お腹いっぱいご飯を食べるな」ということになり、普通の生活ができなくなります。アゴラの池田さんもちょっとした皮肉に大して不謹慎だと言われたとつぶやいておられました。この不謹慎・自粛ムードが正しいのなら、地震以外のことは一切つぶやけないことになります。

 確かにそういう気持ちもわからないではありません。私も阪神大震災を経験したとき「東京も同じ目に合えばいいのに」なんて思っていました。地震や災害の怖さを知らない人たちがのほほんと普段どおり生活していることに、憤りを感じていました。この時期にTwitterがあれば「不謹慎だ、自粛しろ。ムカツク」という風につぶやいていたでしょう。

 しかし中学・高校と年齢を重ねるに連れ、それが当たり前のことなんだと気づきました。普段どおりの生活が出来る人達は普段どおりに生活する、それが大切な事なんだと気づいたのです。

 こういう不謹慎・自粛ムードはいい方向に働かないということは、身を持って経験しました。3月12日、私は神戸であるイベントにネット告知担当ということで関わっていました。11日に地震が起きたとき「こんな非常時になにやってるんだ!」という抗議が出ることを恐れ、中止するという検討までされていました。しかしイベントの代表者たちが開催を英断し、そこで義援金の寄付集めをすることになったのです。

 結果、義援金は20万円を超えるまでの額が集まりました。中には1万円や5000円を募金してくれる方もいらっしゃいましたし、外国人の方も1ドルを募金してくれました。イベントを開催したおかげで、多くのお金を集めることができ、これを被災地の方々に届けられることになりました。もしこれが「不謹慎だから自粛しよう」と中止になっていれば、これだけのお金を集めることが出来ず、被災地へ支援することができなかったわけです。

 現在の日本は不謹慎・自粛ムードが漂っています。しかしこんな時だからこそ普通に生活出来る人は普通に生活をすべきです。ものを買い、サービスを受け、娯楽を楽しむことが日本の経済を、引いては災害地の復興を助けることになるのではないでしょうか。Twitterも普段どおり使い、笑わせてほしいというつぶやきをしている被災者の方もいるのです。

 そしてイベントについても同じことが言えると思います。非常事態だからこそ、音楽ライブをやり、講演活動をやり、交流会をすべきではないでしょうか。そこで少しでも参加者の皆さんから募金を集めるようにすれば、それが積もり積もって大きな力となります。「不謹慎だから自粛する」では抗議は受けないかもしれませんが、災害地の力にもなれません。

 もう一度この不謹慎・自粛するというムードについて考えてほしいと思い、私の専門外ですが投稿させていただきました。

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松本 孝行
株式会社セカンドチャンス 代表取締役

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