政府見解と食い違う日米専門家の意見 ‐ 木谷哲夫

2011年03月14日 17:03

海外在住の日本人からニューヨークタイムズの福島原発に関する最新のBreaking
Newsについて教わりました。これを見ると日本政府の公式見解と日本政府/アメリカ政府/アメリカの専門家の見解との間でずれが有るように思えます。


“Radioactive Releases at Fukushima Could Last Months”

要点をまとめますと:
日米の専門家の見解によると、福島原発原子炉からの放射線物質を含む蒸気の放出は今後数週間、数ヶ月続く可能性あり。

ペンタゴンのレポートによると、福島原発の60マイル(96.6Km)離れた上空でCesium-137 とIodine-121を含むと思われる放射性物質が検出された。

原子炉が高熱で有る限り、原子炉への海水の直接注入、その結果排出される蒸気の放出は免れず、20万人の避難民はかなり長い期間自宅に戻れないであろうし、風向きによっては、風に乗って放射性物質が内陸に向かって運ばれる可能性もあり。

日本政府とアメリカ政府の週末にわたる協議及びアメリカの原子力の専門家の現地入りにより、「何が原因で事態が悪化したのか」が更に明らかになり、ベストケースシナリオでもこの事態が直ちに収束するとは考えられない。

事態悪化の原因は:
停電時の非常用ディーゼル発電が津波により水につかり始動しなかったこと。
非常用の冷却機能をバッテリーで作動させたがそのバッテリーも切れてしまい冷却機能がシャットダウンした事。

そのため原子炉内の水位が低下、原子炉燃料格納機容器内の気圧が上昇。気圧を下げるためにスチームを放出せざるを得ず、その結果水素の蓄積が第一号機の建屋の爆発を誘発。

その後、原子炉圧力容器内に海水を直接注入するも、容器内の圧力が高く、海水注入作業は膨らんだ風船の中に水を注入するようなもので、どれだけの海水が実際注入されているのか、核燃料のどれだけが水でカバーされているかは不透明。

問題は、原子炉内の計測器が地震か津波の影響で損傷を受けた可能性があり、どれだけの水が原子炉内に有るのか判断不可能。

週末にブリーフィングを受けた原子力専門家及びアメリカの専門家は冷却水プールの水面より露出していると思われる核燃料が致命的なガンマ放射線を排出している可能性がある事に大きな懸念を表明。
政府関係者と原子力の専門家の数人は、核燃料棒は水面から1.2から
2.7メートル露出している可能性もあり、この状態は核燃料の一部溶解、最終的にはフルメルトダウンを引き起こす状態と言及。

この記事を読みますと、日本政府の公式見解より事態は深刻なのではないかとも思われます。

「福島原発原子炉からの放射線物質を含む蒸気の放出は今後数週間、数ヶ月続く可能性あり」という日米専門家の見解は、「健康への害はない」という日本政府の公式見解と異なっており、疑問を持たざるを得ません。
(木谷哲夫blog

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