日本人のすばらしさと、あやうさ ‐ 村上たいき

2011年03月18日 09:48

日本人は、アメリカ人と比較すること、より個人主義的で、他人を信頼しないことが、山岸らの研究で明らかだ。このような自分勝手な民族が、和を重んじる社会を作り上げたのは、相互監視、相互規制によるものと言われる。つまり一度の過ちを厳しく罰する仕組み(いわゆる村八分)により、強い社会強制力によるものである。いわゆるムラ社会というやつだ。日本人が必死に空気を読む理由もここにある。


「日本人はすばらしい」と言われる所以となった日本人の大震災時の高い規範的行動は、相互監視、相互規制がうまく働いた例といえる。多くの人の目の前で、個人主義的な行動をとることにより、多くの人に批判されることを日本人は無意識に強く恐れる。また、ちょっとしたユーモアに「不謹慎」という言葉で総攻撃するのは、過ち(?)を厳しく罰する社会的な仕組み(村八分)が強くでていると見てよさそうだ。どんな理由、どんな心理にせよ、今回の惨事で日本人が取った整然たる”行動”は、やはり日本人が生んだ、すばらしい結果と言って良いと思う。

一方で、日本人の多くが「買占め」という自己中心的な行動に出た(ゲーム理論で言う[裏切り]の選択)。買い物というは通常の行動であり、単独で見れば、それが見かけ他人に批判されるようなことではない。ゆえに、それがたとえ他人に迷惑をかけても、個人として誰にも批判されないため、多くの日本人が[裏切り]の選択を選んだ。日本人が相互監視、相互規制のくびきから開放されたら、自分勝手に行動することをよく示している。

そんな日本人が、良いとか、悪いとか、イデオロギーを言うつもりはないし、教訓めいたことも言いたくない。ただ、「大震災時の高い治安」も「不謹慎ムード」も「買占め」も日本人らしい行動だと私は感じた。そんな日本人に、嬉しさも、息苦しさも、悲しさも感じる。でも、それら全部ひっくるめて日本人なんだ。

(参考)

「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」橘玲

「米国人には理解不能、大地震でも治安が揺るがない日本」

「大惨事とミラクル」

「『不謹慎』とは何か。」

「日本人はすばらしい?」

「不謹慎・自粛ムードに関する反論 」

「日本大震災で「ユーモア」が許されないこの緊張状態は危険」

(村上たいき モンテカルロblog

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