アナログ放送は止められるのか

2011年04月06日 17:15

私のところにアナログ放送停止の延期を求める署名が来るが、これまでは応じてこなかった。今年7月24日の段階で数百万世帯が取り残されることは確実だが、これによって可能になる電波の有効利用の価値のほうが高いからだ。

しかし震災で状況が変わった。災害で頼りになるのは、NHKの災害放送だ。昔は災害のときはラジオだといわれたが、今どきラジオをもっている人はほとんどいない。テレビも停電したらだめだが、停電をまぬがれた地域では重要な情報源だ。それをわざわざ見えなくする必要があるのだろうか。


UHF帯は700MHz帯などの次世代携帯などともからむので停波の延期は無理だが、首都圏と近畿圏などの主要なチャンネルであるVHF帯は、採算性の疑わしい携帯マルチメディア放送と用途の不明な「公共マルチメディア」に使われるだけだ。特に後者は「災害現場の映像を伝送する」ということになっているが、災害のライフラインであるアナログ放送を止めて役所の災害連絡に使うというのはグロテスクである。

ケーブルテレビでは移行措置として5年延長するのだから、それに合わせてVHF帯だけでも停波を延長したほうがいい。電波の用途も考え直して、災害で活躍した無線インターネットに使えるようにしてはどうだろうか。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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